糖尿病の症状・診断・治療

糖尿病とは

糖尿病とは、血糖値を下げる働きがあるホルモンであるインスリンの作用不足により、慢性的な高血糖状態となる病気です。

健康診断で血糖値が高いことが判明しても放置してしまいがちですが、糖尿病を発症するとさまざまな合併症を引き起こす原因となります。

糖尿病が重症化すると命にかかわる合併症を引き起こすこともあるため、重症化する前にしっかり治療を行うことが大切です。

糖尿病の症状

糖尿病初期には体が血糖をコントロールしようとすることで、以下のような症状が現れます。

  • 口渇
  • 多飲・多尿
  • 体重減少
  • 体力低下
  • 空腹感
  • だるさ・眠気

さらに、高血糖状態が慢性化すると神経・目・腎臓の障害が現れ、合併症を引き起こす可能性もあります。

糖尿病の合併症

糖尿病が原因となり、神経・目・腎臓の障害から引き起こされる合併症は以下の通りです。

  • 糖尿病神経障害
  • 糖尿病網膜症
  • 糖尿病性腎症

上記の症状がひどくなると失明や足先が腐る原因となったり、透析が必要になることもあります。

また、糖尿病は全身の血管を傷つけ、動脈硬化を引き起こします。

動脈硬化が進行すれば、心筋梗塞・脳梗塞・脳出血など、命にかかわる病気を発症する恐れがあるため、重症化する前に治療を行うことが大切です。

糖尿病の検査・診断

糖尿病は以下の数値を基に診断を行います。

  • 血糖値
  • HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
  • 空腹時血糖値

血糖値は食事の影響が数値に現れてしまうため、空腹時に採血を行うのが一般的です。

しかし、早急に検査しなければならないときなどは、過去1~2か月間の血糖値の平均値となるHbA1cの値も参考にして診断します。

診断基準

糖尿病は以下のいずれかが該当することで、糖尿病型と診断されます。

  • 早朝空腹時血糖値:126以上
  • 随時血糖値:200以上
  • HbA1c:6.5%以上

空腹時、あるいは食後に計測した血糖値のどちらかの値が該当し、HbA1cが6.5%以上だった場合は糖尿病であることが確定されます。

糖尿病は症状が出ていることに気づきにくい病気です。

糖尿病が疑われた際は1ヵ月以内に再検査を行い、定期的に確認するようにしましょう。

糖尿病の治療法

糖尿病の初期段階は食事療法や運動療法を行い、改善されない場合は内服薬やGLP-1受容体作動薬(注射薬)、インスリン注射薬などの薬物療法に移行します。

薬物療法と併行し、食事の管理や適度な運動を行う習慣も積極的に取り入れるようにしてみましょう。

内服薬を服用しても血糖コントロールが上手くいかないといった場合、教育入院にて食事や運動の指導を受けながら治療を行うことも可能です。

内服薬

糖尿病予備軍も含め、成人の約6.3人に1人が糖尿病を発症しており、多くの人が認知している糖尿病の治療薬は数多くの薬が開発されています。

糖尿病治療に用いられる内服薬は以下の3種類です。

  • インスリン抵抗性改善薬:ビグアナイド薬・チアゾリジン薬
  • インスリン分泌促進薬:DPP-4阻害薬・グリニド薬・スルホニル尿素薬
  • 糖分の排出・吸収阻害薬:α-グルコシダーゼ阻害薬・SGLT-2阻害薬

これらの薬剤を症状やインスリン分泌能、合併症など、患者さんの状態に合わせて低血糖状態とならないよう注意しながら処方します。

状況により、注射薬と併用することもあります。

インスリン注射

糖尿病は血糖値を下げるために膵臓から分泌されるホルモンのインスリンが不足するため、インスリン注射で補います。

インスリン注射には以下の3つのタイプがあります。

  • 持続型
  • 即効型
  • 中間型・混合型

持続型は24時間マイルドに持続するため、全体的に血糖値を下げられる注射薬です。

一般的に血糖値が最も低くなる朝食前の数値を参考に投与量を決定します。

即効型は食後の急激な血糖値の上昇を迅速に抑えるために投与する注射薬です。

持続型と即効型を組み合わせた治療を強化インスリン療法と呼び、効果的な血糖コントロールが可能です。

しかし、強化インスリン療法は頻繁にインスリン注射を打たなくてはならないため、患者さんの生活状況や希望に応じて中間型や混合型を処方します。

中間型や混合型は持続型と即効型の効果を合わせ持っていますが、大量に投与することはできないため、インスリンの投与が必要な患者さんのなかでも軽症の方を対象とした治療法です。

血糖測定

血糖値は1日のなかで激しく変動するため、より適切な治療を受けるには血糖測定を行うことが大切です。

血糖自己測定器(SMBG)は指に針を刺して測定しますが、持続血糖測定装置(CGM)であれば持続的に血糖測定ができます

近年では、持続的にインスリンが注入できるインスリンポンプ療法(CSII)という治療法も選択できるようになりました。

持続血糖測定装置(CGM)と連動して使用できるものもあるため、患者さんにとっても管理しやすい治療法が確立されています。

GLP-1受容体作動薬

GLP-1作動薬はメディカルダイエットで用いられることも多いため、知っているという方も多いでしょう。

しかし、本来はダイエット目的としてではなく、膵臓のGLP-1受容体に作用し、血糖値の状態に合わせてインスリンの分泌を促進するための治療薬です。

糖尿病の治療として使用する際は以下のようなメリットがあります。

  • 低血糖状態となるリスクを軽減
  • 患者さんによって投与量を調節する必要がない
  • 食欲の抑制
  • 肥満の改善
  • 空腹時、食後のどちらにおいても血糖値が下げられる

GLP-1作動薬は週に1回の投与で治療できる薬剤もあります

仕事が忙しい方や頻繁に注射を打ちたくないという患者さんにとって、大きなメリットとなる治療法です。

しかし、GLP-1作動薬はインスリンの代わりとなるお薬ではないため、医師としっかり相談することが大切です。

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