【TMS治療の比較ポイント】TMSクリニックの選び方

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様々なTMSクリニック

TMS治療の3つのポイントを精神科医が解説します。

2019年6月に保険適用となったTMS治療、保険適用では制約が厳しく、病院で決められた機械と方法でなければ治療を行うことができません。欧米では患者さんにも負担が少ない治療方法も開発されており、自由診療でTMS治療を行う医療機関も増えてきました。

しかしながら自由診療ですので様々な医療機関があり、誇大的であったり、明らかに適応外のTMS治療を行っているところも少なくありません。安心したTMS治療を提供できる医療機関を目指して、当院でも2020年12月に東京横浜TMSクリニックを開設しました。

特徴について詳しく知りたい方は、『東京横浜TMSクリニック』のページをお読みください。

ここでは、TMS治療を行っている医療機関の比較ポイントをお伝えしたいと思います。できるだけ客観的にお伝えさせていただき、あわせて当院の取り組みもご紹介させていただきます。

TMS治療の3つの大前提

TMS治療を自由診療で行っている医療機関は、本当に様々です。正直に申し上げて、ビジネスとしての側面が強い医療機関も少なくありません。

まずは、TMS治療をしっかりと行うために必要な3つの大前提をお伝えしたいと思います。この3つがなければTMS治療をバランスよく行うことはできないかと思います。この点をみていくだけでも、本質が見えてくるかと思います。

心の医療の経験ある医師が診察をしているか

患者さんにとっては当たり前のことと感じるかもしれませんが、TMS治療を行っている医療機関では、心の医療経験を積んだ医師が行っていないケースも少なくありません。

少なともクリニックの中心となっている医師は、精神保健指定医や精神科専門医の資格を持っていることが一般的です。少なくとも2~3年の精神医療の経験を積んでいることの証になります。

もちろん当院にも、資格はなくても10年以上臨床経験を重ねていて、素晴らしい先生もいらっしゃいます。

うつ病の評価は単純なものではなく、本当にTMS治療が適応なのかの評価を行うには、一定の主治医としての臨床経験が必要になります。

薬物療法を否定していないか

心の治療をしっかりと行っている医師であれば、お薬の治療を一方的に否定することはないでしょう。お薬は適切につかえば、有効な治療手段になりえることは、治療者であれば必ず感じます。

もちろんお薬だけではよくならない方もいらっしゃいます。そういう方にこそ、TMS治療は選択肢のひとつとなるのですが、はじめからお薬の治療を否定することはしません。

TMS治療は、「お薬に頼らない」というフレーズとともに語られることが多いですが、過度にお薬を否定している医療機関や、TMS治療しか選択肢のない医療機関は適切ではないでしょう。

うつの治療を中心に行っているか

TMS治療は、日本では「うつの治療にのみ」適応が認められています。しかしながら医療機関の中には、

  • 発達障害
  • 摂食障害
  • 健康な人の悩み

といったことにフォースをあてている医療機関もあります。

基本的にはうつ状態以外の適応は限定的で、世界的にもエビデンスが固まっていません。現時点でTMS治療は、リハビリ領域かうつ状態に対する効果を期待すべき治療というのは、専門家でも一致した見解かと思います。

ある一定レベルのうつ状態が認められている方にこそTMS治療の効果は期待しやすく、うつ状態であったとしても、あまりにも大きな葛藤や発達特性が認められたりすると、その治療効果は薄れてしまいます。

お薬も近しいことがいえて、うつ状態の本質が別にある場合は、お薬の効果は限定的になります。

だからこそ、治療適応や効果の判定には心の治療経験が必要となります。

TMS治療の5つの比較ポイント

これまでお話ししてきたTMS治療の大前提ですが、この前提を踏まえたうえでの比較ポイントをお伝えしていきます。当院として至らない点もありますが、取り組みもあわせて紹介させていただきます。

心理検査による治療評価があるか

TMS治療を真剣にとりくもうとしている医療機関では、心理検査によって治療効果を評価していることがほとんどです。

TMS治療はまだまだ日本では浸透していません。そのような中で、医療機器メーカーの営業マンのアドバイスに従って治療を行っていることが多いです。

また治療評価を行っていても、患者さん本人が記入する方式の心理検査が多いです。具体的には、SDSやGHO9、QIDSなどでしょうか。

これらは当院でも行いますが、それだけでなくMADRSやHAM-Dといった研究でも使われるスコアを取ります。こちらは評価者が聞き取りや観察により、うつ状態を客観的に評価する心理検査になります。

当院では治療開始時と終了時に測定し、統計解析する方針をとっています。

治療機器の信頼性があるか

TMSの治療機器には、いくつか種類があります。現実的に日本で利用ができるのは、

  • 保険診療:ニューロスター
  • 自由診療:マグプロ・TAMAS

がほとんどです。個人輸入のような形で他の

詳しく知りたい方は『TMS治療機器の機器の違い』(東京横浜TMSクリニックサイト)をお読みください。

当院では、マグプロを採用しています。一概に2つの比較はできませんが、マグプロの方が高額ではありますが、治療の安定性は高いと当院は判断して導入しています。

こまめに通院できる体制があるか

TMS治療は、少なくとも週に2回以上の通院治療が望ましいです。このため、予約がとれて通院ができる環境が大切です。

TMSの治療内容

TMS治療は特殊な治療になります。このため、治療者の技量が必要となります。

まずは治療手技ですが、TMS治療のうつ病での治療手技はシンプルになります。

刺激部位はdlPFC(背外側前頭前皮質)になります。この部位の特定は、5cmルールと呼ばれる簡便な方法で行われることが多いです。当院では頭を細かく計測し、アルゴリズムによりdlPFCの位置を割り出して特定する海外での標準的な方法を用います。

刺激方法については、

  • 右の低頻度刺激
  • 左の高頻度刺激

が基本となりますが、低頻度刺激は時間がかかることが多く、一般的には左の高頻度刺激となります。

TMSのオペレーターの技術

TMS治療にあたっては、医師が直接治療機器を操作することは少ないと思います。

その他の医療職が行うことが多いですが、臨床工学技士が最もオペレーターとしては親和性が高い職種になります。

臨床工学技士は医療機器のスペシャリストになります。

また顧問でTMS治療の第一人者の野田先生より、世界で標準に行われている治療方法も実践しております。

本来のTMS治療適応症例に対しては、少なくともレジストリ登録している日本の医療機関の中では最多となっており、豊富な症例が安定した技術につながります。

東京横浜TMSクリニックの考え方

東京横浜TMSクリニックでは、当然のことですが私たちがTMS治療に重要であると思うポイントに注力しております。

  • 目の前の患者さんの治療選択肢を広げたい
  • 安心して標準的なTMS治療を広めたい
  • 魅力を感じていただける医療者に集まっていただきたい

という目的のために開院したクリニックになります。

開院より様々な症例を経験し、その結果を統計解析して海外専門誌に発表もおこなっております。安心して標準的なTMS治療に関心ある方は、ぜひご相談ください。

東京横浜TMSクリニックについて知りたい方は、『東京横浜TMSクリニックHP』をご覧ください。

東京横浜TMSクリニックの考え方について知りたい方は、『当院について』の末尾のごあいさつをご覧ください。

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執筆者紹介

大澤 亮太

医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師

日本精神神経学会

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了

カテゴリー:地域のクリニック紹介  投稿日:2020年11月26日

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