漢方薬の作用による効果と使い分け

病院で使う漢方薬の特徴は?

漢方薬は、何種類かの生薬で構成されています。

病院で保険適用として処方できる漢方薬は、代表的な生薬の調合がされてパウチされた既製品です。患者さんそれぞれの細かな状態に合わせて生薬を調整することはできません。けれど、漢方薬の性質と、患者さんの体質や病状を見極めながら使い分けることで、その効果を生かすことができるのです。

漢方薬の作用でみた6つの効果

漢方薬は、期待する効果や作用の違いによって大きく6つに分けることができます。

  • 補剤
  • 瀉剤
  • 和剤
  • 解表剤
  • 温裏剤
  • 清熱剤

補剤

補剤の漢方は、ゆっくりとした効果で、今の身体にないものを補う形で体質改善をしていきます。主に慢性疾患で使われています。

具体的には、

  • 十全大補湯
  • 補中益気湯

などがあげられます。

補剤は、栄養ドリンクというわけではありません。身体に足りないものを補充して機能を高め、エネルギーの取り込みを良くするものです。したがって、飲んですぐに元気になるわけではなく、飲みながら充電しやすい身体の基礎がつくられ、そこからゆっくりと回復をしていきます。

体質改善には長い時間がかかります。補剤の漢方薬は焦らず続けることが大切です。

瀉剤

一方、瀉剤は即効性の期待できる漢方です。身体の不調を引き起こしている原因を取り除くことで、効果を発現します。

具体的には、

  • 防風通聖散

などがあります。

主に急性疾患で使われますが、長期飲み続けると副作用が現れることがあります。漢方では基本的に体質改善を目的としているため、症状が改善されても飲み続ける必要があるものが多いのですが、瀉剤は違います。その点は注意して使いましょう。

解表剤

漢方では、病気は身体の「表」から、身体内部である「裏」に入ってくると考えます。表とは皮膚のことで、裏は臓器を指します。

表で病気がとどまっている場合は、発汗によって病気を吐き出さす解表剤を使います。

具体的には、

  • 麻黄湯
  • 葛根湯

などになります。

和剤

病気は表と裏の間でくすぶっているような「半表半裏」の状態になることもあります。このような時には、その状態を中和し、少しずつ肝臓から解毒していく和剤を使います。

具体的には

  • 小柴胡湯
  • 柴胡桂枝乾姜湯

などになります。

温裏剤・清熱剤

同じ病気であっても、人によって病状は異なります。活発に反応して熱をもてば熱性、反対に反応が乏しくて冷えれば寒性となります。

温裏剤は寒を温め、清熱剤は熱を冷まします。

漢方薬は体質によっても効果が変わる

漢方薬の効果は、患者さん側の条件によっても変化します。

  • 身体のバランスが崩れていた期間
  • 患者さんの体質
  • 年齢

身体のバランスが崩れていた期間

まず、身体のバランスがどれだけの崩れていたかによって、効果の出方も異なります。バランスの崩れが大きければ、それを整えるのには時間がかかってしまいます。反対に、早期から治療を始めれることができれば、効果も速く現れることが多いのです。

患者さんの体質

次に、患者さんの体質の影響が大きいです。基本的には、身体がしっかりとしていて病気に対する抵抗も活発な方では、漢方薬も強いものを使うことができます。

漢方独自の診断法「証」で言うと、陰証よりも陽証の方が、虚証よりも実証の方が強い漢方薬が使えるので、効果も出やすいです。

「証」について詳しくは、『漢方の「証」について』をお読みください。

年齢

最後に、漢方薬は自然治癒力とも関係してきますので、年齢が若いほどしっかりと効いてきます。

まとめ

病院で使う漢方薬にも様々な種類がありますが、その作用や、患者さんの体質などに合わせて選ぶことで効果を発揮します。

同じ病気であっても向いている漢方薬は異なり、効果の出方もそれぞれです。上手く合ってないときには副作用が出ることもあるため、医師と相談しながら飲むようにしましょう。

副作用については、『漢方薬の副作用について』をお読みください。

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カテゴリー:漢方について  投稿日:2020年8月11日

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