【専門家が解説】指定難病医療費助成制度

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指定難病医療費(特定医療費)助成制度とは?

医療技術や研究が進歩しても、いまだ原因が不明で完治が目指せない難病は数多く存在しています。

そのような難病の方は症状を抑えるため、長期にわたり高額な薬の投与を続けたり、リハビリに通い続けたりしなければいけない場合も少なくありません。

しかしながら、医療費が高額になればその負担で生活が圧迫されたり、必要な医療が受けられなくなってしまいます。そんな難病患者さんを助け、医療費の負担を減らすための制度が指定難病医療費助成制度です。

原因が不明で治療方法が確立していない難病のうち、厚生労働大臣が「とくに治療が困難で、医療費が高額におよぶもの」と定めた病気を『指定難病』といいます。平成31年1月の段階で、331種類の病気が指定されています。

指定難病医療費(特定医療費)助成制度は、それらの指定難病を抱え、症状により医療費の負担が大きいと判断された患者さんに対し、医療費の一部を国が助成する制度です。

助成を受けるためには、お住まいの都道府県・政令指定都市の担当窓口に申請し、認定されると『医療受給証』が発行されます。これにより、指定医療機関で受ける認定指定難病にかかわる健康保険内の医療費の自己負担割合が1割減額され、さらに収入や病状に応じ、月の自己負担上限額も設けられます。

※このページの情報は2019年1月時点のもので、川崎市の例を中心にまとめています。細かな部分は各都道府県・政令指定都市によって異なり、随時変更の可能性もありますので、実際の申請の際の詳細は各ホームページや担当窓口でご確認ください。

助成の内容について

指定難病医療受給の資格が認められた場合、以下のような形で助成が受けられます。

  • 認定指定難病にかかわる健康保険内の医療費の自己負担割合が1割減額されます。3割の方は2割に、2割の方は1割になります。※指定医療機関で受けたものに限る。
  • 上記で減額された医療費の月の総額に自己負担額上限が設けられます。それ以上の費用は国が負担してくれるので、患者さん自身が支払う必要がなくなります。月の自己負担上限額は、収入や状態に応じて決定されます。

自己負担上限額について

月の自己負担上限額は、所得に応じて決定されます。また、『高額難病治療継続者』または『人工呼吸器等装着者』に認定された方は、一般とは別の金額設定があります。

<生活保護受給中>

  • 自己負担無し

<低所得Ⅰ(市県民税非課税・本人収入80万円未満)>

  • 一般 5,000円
  • 高額難病治療継続者 5,000円
  • 人工呼吸器等装着者 1,000円

<一般所得Ⅰ(市県民税課税/所得割額7.1万円未満/年収約160万円~約370万円)>

  • 一般 10,000円
  • 高額難病治療継続者 5,000円
  • 人工呼吸器等装着者 1,000円

<一般所得Ⅱ(所得割額7.1~25.1万円未満/年収約370万円~約810万円)>

  • 一般 20,000円
  • 高額難病治療継続者 10,000円
  • 人工呼吸器等装着者 1,000円

<上位所得(所得割額25.1万以上/年収約810万円以上)>

  • 一般 30,000円
  • 高額難病治療継続者 20,000円
  • 人工呼吸器等装着者 1,000円

助成対象となる医療の内容

制度の助成対象となるのは、

受給証に認定された指定難病にかかわる医療費(診察・治療・薬・手術・入院・介護等)

受給証の有効期間内に指定医療機関で受けた医療

健康保険が適応される部分

の3つの条件をすべて満たした費用です。

  • 受給者証の有効期間外にかかった医療費
  • 受給者証に記載されている以外の病気やケガの治療でかかった医療費
  • 指定医療機関以外でかかった費用全般
  • 健康保険適用外の治療や薬、入院中の食事や差額ベッド代

などは助成の対象外になり、通常通りの自己負担が必要です。

『指定医療機関』は、各都道府県・政令指令都市が指定した病院・クリニック、薬局、訪問看護ステーションです。指定医療機関でさえあれば、全国どこの機関にかかっても助成の対象になります。

具体的に対象となる医療の内容としては、

  • 診察
  • 医学的処置、手術など
  • 自宅での療養上の管理・治療・看護
  • 入院での療養・看護

などです。

また、介護については、

訪問看護

訪問リハビリテーション

居宅療養管理指導

介護療養施設サービス

介護予防訪問看護

介護予防訪問リハビリテーション

介護予防居宅療養管理指導

などです。

介護の自己負担分は介護保険における高額介護(介護予防)サービス費の対象になりますが、その度に申請が必要です。介護保険について詳しくは、各自治体の介護保険給付担当窓口へご確認ください。

受給証の指定難病に関するもので、指定医療機関で支払っても対象外となるのは、

  • 入院中の食事療養費・生活療養費 ・差額ベッド代・シーツ・テレビ・おむつなど保険適用外の料金
  • 高額療養費制度によって払戻しを受けられる費用
  • 往診等で医療機関に支払う保険適用外の交通費や手数料等
  • 臨床調査個人票などの文書料等 車椅子、めがねやコルセットなどの補装具・治療用装具の費用
  • 鍼灸、マッサージ、柔道整復
  • 通所介護(デイサービス)、訪問介護サービス

などがあります。

これらは状況に応じ判断が変わることもあります。詳しくは、かかりつけの医療機関または 各都道府県・政令指定都市の担当窓口までお問い合わせください。

指定医とは?

指定難病医療受給の申請のためには、指定医による『臨床調査個人票』という専用の診断書が必要です。

指定医とは、都道府県知事・政令指定都市長から指定難病医療受給の申請にかかわれると指定を受けた医師で、『難病指定医』と『協力難病指定医』の2種類の指定医がいます。

<難病指定医>

難病指定医は、新規の申請と更新申請のための書類記入が両方行える医師です。これまでに指定難病医療給付を受けたことのない方・これまでとは別の難病で申請したい方は、難病指定医に『臨床調査個人票』を書いてもらう必要があります。

<協力難病指定医>

協力難病指定医は、更新申請の際の『臨床調査個人票』が書ける医師です。

指定医療機関とは?

『指定医療機関』とは、都道府県から指定を受けている病院・クリニック、薬局、訪問看護ステーションです。

指定難病医療受給の対象となるのは、原則として指定医療機関で支払った健康保険内・受給票で認められた指定難病にかかわる費用のみです。それ以外の医療機関で治療を受けた場合、たとえ指定難病にかかわる内容であっても対象外となるので注意が必要です。

指定医療機関は、各都道府県・政令指定都市ごとに定められていますが、お住まいの地域内でなくてもかまいません。全国どこの指定医療機関でも対象になります。

申請から受給の流れ

それでは、申請から受給までの流れをご紹介していきます。

申請

お住まいの都道府県・政令指定都市の定めた担当窓口に必要書類を提出します。川崎市は、各区役所の保健福祉センター地域ケア推進担当が窓口です。申請は郵送でも可能ですが、その場合は専用の宛先へ送付します。

具体的な窓口や宛先、必要書類については後述の『申請窓口』、『申請に必要な書類』をご覧ください。

審査

必要書類が受理された後、各都道府県・政令指定都市で審査が行われます。

審査の内容は、認定基準を満たしているかどうかについてです。『臨床調査個人票』の内容について、医学的な審査を行い、

  • 申請された指定難病の診断基準を満たしているか
  • 疾病ごとの「重症度分類等」に照らし合わせて病状の程度が一定以上であるか
  • 認定基準に該当しない場合は、軽症高額者に該当するかどうか

などを判断します。

審査の結果、認定基準を満たしていると確認できれば支給認定となります。

所得区分の確認

患者さんが加入している保険者(健康保険組合等)に照会し、所得区分を確認します。場合によっては、所得状況を示す書類の提出を求められるときがあります。

受給者証の発行・結果の通知

審査で認定された方には医療受給者証の発行を行い、順次送付します。受給者証の発行を行います。申請から受給者証が手元に届くまでは、通常3カ月程度かかります。内容によっては審査でさらに時間がかかることもあります。

審査に時間がかかって受給証が届くのが遅れた場合も、有効期間は申請が受理された日にさかのぼります。

受給証が手元になかったときの対象医療費については、後から払い戻しが受けられます。払い戻しの手続き方法は、受給証に書類と案内が同封されてきますので、それを提出します。

認定されなかった場合

申請しても『不認定』となることがあります。不認定は、認定基準を満たしていないと判断されたときです。不認定のときは、その理由を書いた通知書が郵送されてきます。また、認定基準の条件を満たしているかが確認できていないときは『保留』の通知が送られてくることもあります。

保留になったときは、追加書類の提出などによって認定されることがあります。

申請に必要な書類

<全員共通の必要書類>

  • 特定医療費支給認定申請書(新規用)
  • 『臨床調査個人票』
  • 健康保険証のコピー
  • マイナンバーと身元確認のできる書類

<該当者のみに必要な書類>

  • 市町村民税課税証明書/非課税証明書 →各種国民健康保険組合、健保組合、協会けんぽ、共済組合の方
  • 特定医療費(指定難病)受給者証のコピー →患者さんと同じ健康保険に加入しているご家族に指定難病医療受給者が存在し、申請する都道府県や市以外が受給者証を発行している場合
  • 小児慢性特定疾病受給者証のコピー
  • 患者さんと同じ健康保険に加入しているご家族で小児慢性特定疾病受給者がいる場合
  • 軽症高額基準への該当を証明する書類(年間の領収書・診療報酬明細書など医療費の総額が分かるもの) →軽症高額基準で申請する場合 ※軽症高額基準については、下の項目をご覧ください
  • 障害基礎年金・その他の給付に関する証明書類 →支給認定世帯の市町村民税が非課税で、患者さん本人が障害基礎年金やその他の給付を受けている場合※その他の給付とは、遺族基礎年金、寡婦年金、障害厚生年金、障害手当金、遺族厚生年金等です。

※必要な書類は各都道府県・政令指定都市によって異なることがあるため、それぞれのホームページや担当窓口でご確認ください。

特定医療費支給認定申請書(新規用)

様式は、各都道府県・政令指定都市によって異なります。各指定の窓口(川崎市では、各区役所保健福祉センター・地域ケア推進担当の窓口)で入手するか、ホームページからダウンロードをします。

患者さんまたは保護者の方以外が申請を行うときは、委任状が必要です。

臨床調査個人票

新規申請のためには、『難病指定医』が記載した『臨床調査個人票』という専用の診断書が必要です。 ※医療機関へ記載を依頼した際の書類費は患者さんの全額自己負担になります。

臨床調査個人票は、各申請窓口(川崎市は各区役所保健福祉センター・地域ケア推進担当窓口)でも入手できます。厚生労働省のホームページでは、疾病ごとの臨床調査個人票がダウンロードできます。

指定難病の種類によっては様式が複数あるため、どの種類の臨床調査個人票が自分に該当するか不明な場合は、主治医や受診中の指定医療機関にお問い合わせください。

<臨床調査個人票の種類が複数ある指定難病一覧>

  • 19ライソゾーム病
  • 34神経線維腫症
  • 67多発性嚢胞腎
  • 72下垂体性ADH分泌異常症
  • 78下垂体前葉機能低下症
  • 81先天性副腎皮質酵素欠損症
  • 98 好酸球性消化管疾患
  • 107若年性特発性関節炎
  • 115遺伝性周期性四肢麻痺
  • 127前頭側頭葉変性症
  • 139先天性大脳白質形成不全症
  • 168エーラス・ダンロス症
  • 234ペルオキシソーム病
  • 238ビタミンD抵抗性くる病
  • 239ビタミンD依存性くる病
  • 254 ポルフィリン症
  • 257肝型糖原病
  • 300IgG4関連疾患
  • 308進行性白質脳症
  • 309進行性ミオクローヌスてんかん
  • 310先天異常症候群
  • 324メチルグルタコン酸尿
  • 325遺伝性自己炎症疾患
  • 330先天性気管狭窄症/先天性声門下狭窄症

健康保険証のコピー

健康保険証のコピーは、加入している健康保険の種類や世帯の状況によって必要なコピーが異なります 。

<国民健康保険・国民健康保険組合>

患者さんを含む、同じ健康保険に加入している方全員分(保険証の記号・番号が同じ方全員分)※患者さんが18歳未満で、保護者の方が後期高齢者医療制度に加入している場合は、保護者分(後期高齢分)も必要です。

<被用者保険(健保組合、協会けんぽ、共済組合)>

  • 患者さんが被保険者の場合→患者さん本人の保険証のコピーのみ
  • 患者さん以外が被保険者の場合 →患者さん本人と被保険者の方の分 ※患者さんの保険証に被保険者の氏名の記載がある場合は、被保険者分のコピーは必要ありません。

<後期高齢者医療制度>

  • 患者さんを含み、同じ住民票上で後期高齢に加入している方全員分

マイナンバーと身元確認ができる書類

指定難病医療費助成制度の申請では、患者さん(患者さんが18歳未満の場合は保護者)のマイナンバーの記載と、本人確認が必要になります。なりすまし等不正利用を防止し、個人情報を保護する目的です。

〇番号・本人確認のために必要な書類

  • マイナンバーカード(個人番号カード)または通知カード(郵送のときはコピー)
  • 通知カードしか持っていない場合は、本人確認のために以下のうち1種
    • 運転免許証
    • 運転経歴証明書(交付年月日が平成24年4月1日以降のもの)
    • パスポート・身体障害者手帳
    • 精神障害者保健福祉手帳
    • 療育手帳
    • 在留カードまたは特別永住者証明書
  • 上記の書類を持っていないときは以下のうちから2種
    • 健康保険証
    • 介護保険被保険者証
    • 国民年金手帳
    • 児童扶養手当証書または特別児童扶養手当証書

代理申請の場合は、

  • 患者さん本人マイナンバーカード(個人番号カード)または通知カードのコピー
  • 戸籍謄本やその他代理資格を証明する書類(法定代理人の場合)
  • 委任状(任意代理人の場合)
  • 代理人の身元を確認できる書類(本人確認書類と同様)

※代理人が法人の場合は、上記に代わり『登記事項証明書・その他官公署から発行された書類および、代理人と法人との関係を証する書類』(当該法人の商号・名称・本店や主たる事務所の所在地の記載があるもの)の提示が必要です。

受給証の有効期間について

認定となった場合の受給者証の有効期間は、原則としては1年以内ですが、申請した期間によって異なります。有効期間終了後も受給を希望される場合は、更新手続きが必要です。(※川崎市の例です。有効期間の設定は各都道府県・政令指定都市によって違うことがあるので、川崎市以外の詳細はお住まいの窓口へお問い合わせください)

  • 1月1日~6月30日に申請→申請が受理された日からその年の9月30日まで
  • 7月1日~12月31日に申請→申請が受理された日から翌年の9月30日まで

例えば、2019年2月11日に申請が受理されたときは、2019年2月1日~2019年9月30日までが有効期間となります。

2019年8月7日に申請が受理されたときは、2019年8月7日~2020年9月30日までが有効期間になります。審査に時間がかかって受給証が届くのが遅れた場合も、有効期間は申請が受理された日にさかのぼります。

受給証が手元になかったときの対象医療費については、後から払い戻しが受けられます。払い戻しの手続き方法は、受給証に書類と案内が同封されてくるため、それを提出します。

更新手続きについて

有効期間を過ぎても治療継続が必要な場合は、期間が過ぎる前に更新の手続きが必要です。

通常は、更新年度の6月初旬に、『更新手続きのご案内』が郵送で届きます。案内には『特定医療費支給認定申請書(更新用)』を同封されていますので、そちらに記入後、案内に書かれた添付書類とあわせて申請手続きを行います。

ただし、案内を待っていると指定医への『臨床調査個人票』の記載依頼が6~7月に集中し、入手が遅れる可能性があります。臨床調査個人票は、厚生労働省のホームページや各区役所の窓口でも準備できますので、早めの対応をおすすめします。更新期限は通常、案内が届いてから3カ月程度です。

また、

  • 病気の追加、自己負担限度額にかかわる変更、指定医療機関の変更
  • 住所、氏名、加入健康保険などの変更

などがあったときは届け出が必要です。

軽症高額の認定について

受給の対象となるのは、原則として疾病ごとの『重症度分類等』の基準で一定以上の症状と認められた方ですが、それに該当しない軽症者でも、継続した治療が必要で医療費が高額になる場合には適応されることがあります。

基準は、

  • 健康保険適用の医療費総額(指定難病にかかわるもの)が33,330円(3割負担で9,900円)を超える月が、年に月3回以上あること

になります。

33,000円は健康保険適用前の金額なので、3割負担の方なら9,900円、2割負担の方なら6,600円です。ただし、申請しようとする指定難病にかかわるもので、健康保険が適応される内容の医療に限ります。特定医療費の支給対象になり得る介護保険サービスの費用は含みますが、入院時の食事・生活療養費は含まれません。

申請の方法は、

  • 医療費申告書に医療費の領収書を添付して提出(新規)
  • 自己負担上限額管理票を提出(更新)

になります。

高額かつ長期の認定について

疾病によっては、他に比べて高額な医療が長期間継続することがあります。

指定難病医療受給が決定した方が『高額かつ長期』と認められた場合には、自己負担額の上限額が半額になります。(※一定以上の収入で、自己負担額が比較的高額な方にのみ適応)

認定の基準は、

  • 指定難病医療受給の対象医療費の総額が月5万円(10割負担の場合)を超える月が、申請日の月以前ですでに6回以上あったこと

です。

証明方法は、

  • 自己負担上限額管理票
  • 医療費申告書
  • 領収証等

になります。

人工呼吸器装着者等の認定について

人工呼吸器やその他の生命維持に必要な装置を装着し、特別の配慮が必要な患者さんについては、自己負担上限月額は所得にかかわらず月額1,000円になります(生活保護受給中の方は0円)

対象の要件としては、

  • 支給認定を受けた指定難病にかかわる症状により、継続して常に生命維持管理装置を装着する必要がある
  • それによって日常生活が激しく制限されている

この2つを満たす方が対象ですが、対象となるかどうかは個別の状況に応じて判断されます。

具体例としては、

  • 気管切開口、鼻マスク、顔マスクを介して人工呼吸器を装着している神経難病等の患者さん
  • 体外式補助人工心臓を装着した末期心不全等の患者さん

などです。

寡婦(夫)控除みなし適用について

寡婦(夫)/(かふ)とは、結婚後に死別・離別し、1人親となった方を指します。それらの方には、税金対象額の控除など制度上優遇されることがありますが、婚姻をせずに1人親となった方にはそれらの制度が通常は適応されません。

指定難病医療費助成制度においては、それらの方にも寡婦(夫)と同じ計算法で医療費の自己負担上限月額を算定し、医療費の負担を軽減しようとする試みがあります。各都道府県・政令指定都市によって実施状況は異なりますが、川崎市では平成30年9月より実施されています。

指定難病医療受給の『寡婦(夫)控除みなし適用』の要件は以下の両方に当てはまる方です。

  • 法律上の婚姻(結婚)をせずに母・父となった方
  • 申請時と前年末において、婚姻をしていない方

これらの方は、申請をすることで『寡婦(夫)控除みなし適用』が受けられます。

申請方法は、

  • 特定医療支給認定変更申請書
  • 戸籍謄本

をあわせて区役所の担当窓口に提出します。

自己負担上限月額が減額されると場合は、申請した月の翌月1日からの適応となります。 ただし、これは自己負担上限月額を計算するベースの課税額に対する措置であり、元々非課税の方や、生活保護受給中の方、他の控除制度で課税分がすでに控除されている方、人工呼吸器装着者の認定を受けている方などでは自己負担額がそれ以上減額されることはありません。

その他、所得の状況等で減額されない場合がありますので、詳しくはお住まいの区役所へお問い合わせください。また、計算上の控除なので、市町村民税自体が減額されるわけではありません。

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執筆者紹介

大澤 亮太

医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師

日本精神神経学会

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了

カテゴリー:制度・サービス  投稿日:2019年6月14日

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