広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の症状・診断・治療について
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広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)とは?
広汎性発達障害は、生まれつきの脳の微細な異常が原因と考えられている神経発達障害の一種です。
コミュニケーション能力が弱く、独自のこだわりに強くとらわれるために社会生活が困難になりやすい特徴を持ちます。
以前は、自閉症やアスペルガー症候群と呼ばれていた障害がこれに含まれます。
かつては、広汎性発達障害には症状によって細かな分類があり、自閉症、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性障害、レット障害の5つに区分されていました。
ですが、2013年に改訂されたアメリカ精神医学界の診断基準DSM-5では、レット障害を除く4つ(自閉症、アスペルガー症候群、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性障害)が「自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)」として1つに統合されました。
そのため、以前は自閉症やアスペルガー症候群と診断されていた人も、現在の診断基準に照らし合わせると自閉症スペクトラム障害として診断がつきます。
広汎性発達障害に含まれていた障害のほとんどが自閉スペクトラム障害として統合されたため、現在は広汎性発達障害と自閉スペクトラム障害がほぼ同じ意味で使われています。
自閉症スペクトラム障害とレット障害
スペクトラムとは、「連続体」の意味です。
アスペルガー症候群や自閉症では知能の発達などの違いがあるものの、「コミュニケーションの困難さ」と「強いこだわりによる社会適応の困難さ」の二つの大きな特徴は同じ
ですのでそれらは別の障害ではなく、連続した自閉障害の中での程度の差という考え方になりました。
アスペルガー症候群では知能の遅れは見られませんが、自閉症では多くの場合に知的障害もともないます。
ですがそこの境目があいまいな患者さんも多く、線引きが難しいために、「自閉スペクトラム障害」として1つに統合した診断が行われるようになりました。
とはいえ、自閉症やアスペルガー症候群の名前の方が自閉スペクトラム障害よりも一般的な認知度は高く、そちらの障害名がそのまま通用されている場合もあります。
広汎性発達障害の中で1つ独立しているレット障害は、ほとんど女の子にしか見られない進行性の神経疾患です。
いったん習得した言語や運動の能力が徐々に退行する障害で、日本では難病指定を受けており、自閉スペクトラム障害とは一線を画した特殊な疾患として扱われています。
自閉症スペクトラム障害が疑われたら?
広範性発達性障害の診断および治療には、複雑心理検査(WAISなどの知能検査)が必要になることが多いです。
当院では複雑心理検査が実施ができず、専門的な検査およびそれに基づいた治療を希望される場合は、十分な診療を行うことができません。
発達障害を専門に診療されている医療機関にご受診ください。
発達障害について簡潔に知りたい方は、以下をお読みください。
広汎性発達障害の症状
広汎性発達障害の主な症状は、
- コミュニケーション能力の障害による社会性の低下
- 独自のこだわりによる社会適応の困難
の2つに大別されます。
細かくは、
- 相手と適度な距離をはかれない
- 場の空気や相手の感情を察知できない
- 曖昧なニュアンスが理解できない
- 想像力が弱い
- 客観的な視点で自分や周囲をとらえるのが苦手
- 柔軟に視点を変えるのが難しい
- 決まったやり方や習慣に強くこだわる
- 関心や興味が極度に偏っている
- 同じ動作に没頭する
- 感覚に敏感または異常に鈍感
- 不器用、運動神経が鈍い
などの症状があります。
コミュニケーション能力の障害による社会性の低下
広汎性発達障害で一番問題になるのは、コミュニケーションの難しさです。
相手がどのように思うかということを自然に想像することができないために、コミュニケーションにずれが出てしまいます。
そのため対人関係が上手くいかず、学校や職場で孤立してしまいます。
何がずれているのかの理解もできないために、社会性が身につきません。
いわゆる常識的なふるまいが自然にできなくなってしまいます。
広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)では、症状の程度に個人差がとても大きいのが特徴です。
家族とのコミュニケーションもままならず社会生活が非常に困難な方から、表面上はごく普通に社会生活を行っている方まで様々な状態が見られます。
このように症状の程度によっても、困難のあらわれ方が異なります。軽度と重度にわけてみていきましょう。
軽度でよく見られる症状
軽度の人では言葉の理解は正常ですが、言葉以外の表情や仕草などを使ったコミュニケーションが苦手で、言葉以外から相手の意図や感情を読み取ることが困難です。
場の空気を察知して適当な言動を選ぶこともできません。
具体的には、
- 対話するときの相手との距離が近すぎる
- 人と接するときに目が泳ぐ、視線が不自然になる
- その場の雰囲気に合わない表情をする
などの状態が見られます。
これらにより、相手に不信感や不自然な印象を与えてしまい、対人関係が困難になってしまうことが多いのです。
また、
- アイコンタクトや表情によって相手と気持ちを通じ合わせることができない
- 相手の言葉に含まれた裏の意味が通じない
- 相手の立場になって物事を考えたり発言を選んだりできない
などの特徴もよく見られます。
軽度の患者さんでは言語能力や理解力はごく正常で、言葉を意味通りに理解することは問題なく行えます。
ですが、言葉以外の仕草や表情といった非言語コミュニケーションがとても苦手です。
アイコンタクトや表情によって意志疎通をはかることができません。
言葉も裏の意味が読めず、すべてを言葉通りに受け取ってしまうこともあります。
そのため、社交辞令や冗談や遠回しの表現が通用せず、相手は軽い冗談や嫌味で言ったつもりのことを真に受けてしまいます。
それに加え、相手の立場や感情に配慮しながら言葉を選ぶことも困難で、対人トラブルがおこる原因になります。
また、
- 人から言われたことに何でも従う
- 嫌なことや無理なこともすべて受け入れてしまう
などで、適度な対人関係が築けない場合もあります。
とくに大人の世界では、言葉というのは建前で、実際に伝えたいことは表情や態度に表すことが少なくありません。
社交辞令、冗談、皮肉、言葉通りに受け取れない言葉が日常的に飛び交っています。
一般の人は、それらを適当に選別しながら対応しますが、広汎性発達障害の方にとってはそれが非常に困難で、日常のコミュニケーションがとてもハードルが高いものになってしまうのです。
広汎性発達障害の患者さんは言葉をストレートにしか受け取れず、周囲からすると「空気の読めない人」「気くばりのできない人」と思われたり、反対に悪意があってわざと相手の意図を無視したり、ストレートな物言いをしたりしているように誤解されることもあります。
その態度が自分勝手とか横柄だと受け取られてしまうこともあります。
ですが、患者さん本人には全く悪意はなく、性格としてはむしろ優しく素直な方が多いのです。
自己中心的なわがままさで空気を読まない言動を行っているわけではなく、そういう能力が未発達なだけです。
人の言葉に限らず、物事を広い視野で客観的に見たり、想像力を働かしたりするのがとても苦手です。
そのため、患者さん自身はなぜ相手が怒ったのか、なぜ周囲から避けられてしまうのかが理解できず、深く傷つき悩んでいる方も多いです。
周囲の方からみても明らかに病的にはみえないので、本人の性格などと捉えてしまって溝が深まってしまうことが少なくありません。
広汎性発達障害の方は「人に気を遣わない」のではなく、「気を遣おうと努力しても上手くできない」のです。
患者さん自身は人と仲良くしたいと一生懸命努力しても、それが伝わりません。
自分の意志で相手に気を遣わないことを選択している人とは異なり、「そうしたい」と願ってもできないことが多いため、患者さん自身も苦しむことになるのです。
重度でよく見られる症状
一方、重度の患者さんで障害の程度が強くなると、以下のような症状がよく見られます。
- 人に関心を示さない
- 呼びかけに反応しない
- 目を合わせない
- 一方的に話して会話が成り立たない
- 同じ言葉をくり返す
などです。ボキャブラリーの乏しさや理解力の欠如など、言語能力の方にも遅れが見られます。
このように程度が重いと、周囲も病気という認識を持ちます。本人の特性を周囲が配慮することで、得意な部分が大きく発揮されることもあります。
独自のこだわりによる社会適応の困難
広汎性発達障害の症状でのもう1つの大きな特徴は、
- 独自のこだわりが強すぎること
です。例えば、
- 決まったやり方や道筋などに強くこだわる
- 習慣を変えるとパニックになる
- 臨機応変に動くことが難しい
- 興味や関心が極端に偏っている
などです。
それから、様々な感覚に敏感なことも多く、
- 肌触りにこだわり着られるものが限られる
- 同じ物しか食べようとしない
- 音に敏感でささいな音を嫌がる
などの状態が見られる人もいます。反対に、痛みや熱などの刺激に対して妙に鈍く、反応を示さないこともあります。
また、
- 運動神経が鈍い
- 異常に不器用
などの処理能力が低いという特徴を持つ方もいらっしゃいます。
広汎性発達障害の方は、パターン化されたことなら問題なくこなせる人が多いですが、急に予定や道筋が変更になったり、場所や道具が変わったりなどのシーンで臨機応変に動くことがとても苦手です。
そのため、急な変更の多い仕事ではパニックになってしまい、支障が及びます。
また、興味や関心が極端に偏っていることがあり、ある特定の分野にだけ異常に没頭し、他には全く目を向けないこともあります。
これにはいい面もあり、得意分野に関しては並み以上の暗記力や探求力を発揮し、天才的な能力が開くことがあります。
過去の偉大な研究者や芸術家の中にも、広汎性発達障害だったと考えられている人たちがいて、障害というより一種の特殊な能力と見ることもできます。サヴァン症候群として、最近はドラマなどのネタにもなっていますね。
そこまでいかなかったとしても、一般の人が嫌がる非常に地道なくり返し作業にハマると実にコツコツとこなすので、上手く特性が仕事に結びつく場合もあります。
ですが、一般社会の生活においては、その強いこだわりが障害となってしまうことも多いのです。
こだわりが強いということは、その場に合わせた柔軟な対応が難しいということです。これが対人関係や仕事上で問題になることが多いです。
上手く自分の興味や特性とマッチングした職業につければ良いのですが、それはなかなか難しいことです。
一般社会で生活するために、自分の関心事以外にも最低限目を向け対応ができるようにしていく工夫が求められることになります。
広汎性発達障害の症状は、どれも「無理に治さなければいけないもの」ではありません。
とくに軽度の人は、そのような傾向があっても、困らず生活や仕事をしているのなら問題はないです。
ただ、それが支障になって対人関係が上手くいかず、患者さん本人が苦しんでいたり、仕事の妨げとなって経済的な困難を抱えたりしてしまうようなら治療の対象になります。
その他の発達障害との関係
主な神経発達障害には、広汎性発達障害(自閉スペクトラム障害)の他に、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害の2つがあります。
これら3つは合併しておこることもあり、はっきりと「この患者さんはこの障害」と区別するのは難しいケースも多いのです。
それらの傾向がミックスされて見られる患者さんをまとめて、「発達障害」と表現したりもします。
症状の出方によってはどの診断基準も満たさず、あいまいな立場になってしまうこともあります。(PDDnos)
発達障害で重要なのは細かな分類や障害名より、患者さんそれぞれの傾向と、それによっておこる現実の問題について具体的な対処をしていくことです。
障害名や診断だけにこだわり過ぎないことも大切です。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意力の欠如か多動性・衝動性、または両方の特徴を持つ障害です。
注意力の欠如が中心の症状の患者さんは注意力に欠け、
- うっかりミスが多い
- 忘れ物や無くし物が多い
- 1つの作業を集中してやり遂げられない
- 段取りをくめない
などの症状が見られます。
多動性・衝動性の傾向がある患者さんは、
- とにかくじっとしていることができない
- 静かにする場面で騒ぐ
- 自分の順番を待てない
- 車道に飛び出してしまう
などの症状があります。
詳しく知りたい方は、ADHD(注意欠陥多動性障害)をご参照ください。
学習障害
全般的な知的発達に遅れはないのに、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」などの特定の行為に突出して学習能力が大きく下回ってしまう状態です。
社会生活に必要なレベルの基礎的な学習が困難で、障害に合わせた対応が必要になります。
広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)の診断基準
自閉症スペクトラム障害の診断では、DSM-5という診断基準が国際的に用いられています。A~Eまでの項目すべてに当てはまることが要件になっています。
- A.社会的なコミュニケーションや対人関係に持続的な欠陥があり、現在から過去にかけてのエピソードで示される。
それは複数の状況 (家庭や学校や職場など)にまたがって見られる。
【エピソードの例】
・他人と上手く距離をはかったり、適度な情緒のやり取りをしたりできない。
異常な近づき方、通常会話のやり取りができない、興味や情動を共有し合ったりできないなど。
・非言語的コミュニケーションが上手くできない。表情や身振り手振りを使って相手と意思疎通をはかれない。
相手の言葉以外の部分に隠された意図をくみ取ることができない。
・人間関係を発展させて維持し、それを理解することが難しい。相手の立場を想像することができず、「ごっこ遊び」などが困難、仲間に対する興味や関心の欠如など。
- B.行動、興味、活動が限定されていて、現在から過去にかけてのエピソードで示される。
【エピソードの例】
・同じ動きを何度もくり返す。おもちゃを一列に並べる、物を何度も叩くなどの単調な動作を延々とやっている。
同じ言葉や独特の言い回しをくり返すなど。
・やり方や習慣に強くこだわる。ささいな変化に対して極度な苦痛がある。
思考に柔軟性がない、儀式のように同じ挨拶をする、毎日必ず同じ道をたどる、同じ食べ物を食べるなど。
・ある特定の対象への極めて限定され、強すぎる執着のような関心、没頭、愛着。
・感覚刺激に対する過敏さや鈍感さ。
痛みや体温に無関心、特定の音や感覚に普通とは逆の反応をする、ある物の匂いを過度に嗅いだり触れたりする、光や物体の動きを目で追い続けるなど。
- C.症状は発達早期から見られる。
ただし、社会的要求が能力の限界を超えるまで明らかにならない可能性はあるし、その後学んだ対応力で症状が隠されている場合もある。
- D.症状は医師が客観的に見て、社会的、職業的、他の重要な領域での機能に障害を引き起こしている
- E.この障害は、知的能力障害(知的発達症)や全般性発達遅延だけでは上手く説明できない。>知的能力障害は、しばしば同時に存在する。
知的能力障害と自閉スペクトラム障害の併存を診断するためには、社会的なコミュニケーションが、全般的な発達水準から下回っている必要がある。
大人の広汎性発達障害
近年、「大人の発達障害」という言葉が広く一般社会に認知されてきています。
これは、広汎性発達障害や注意欠陥多動性障害の患者さんのうち、幼少期には障害が見逃されたまま大人になり、職場などで障害による問題が表面に見え始めた人を指します。
発達障害は、生まれつき持った微細な脳損傷が原因になっていると考えられており、大人になってから急に「大人の発達障害」が発症することはありません。
国際的な診断基準でも、発達障害特有の傾向が小学生頃までには現れていたことが条件になっています。
しかし、軽度の患者さんでは知能の遅れは見られず、障害と認識されないままで大人になる人も少なくありません。
普通に学校や仕事に通っている方が大勢います。
学生時代のうちは、軽度の障害は大きな支障にならず、「ちょっと変わった人」程度の認識で何とかやっていけるのですが、社会人になるとそれでは済まされない場面が増え、対人関係や仕事が上手くいかずにつまづいてしまうのです。
大人の発達障害のうち、自閉スペクトラム障害が主になった方の症状では、
- 建前と本音の区別ができない
- 相手の真の意図が理解できない
- 場の空気を読んで合わせることができない
- 自分の中でのこだわりが強く、他人や職場のペースに合わせられない
などがあります。
その結果として、
- 職場で上司ににらまれてしまう
- 対人関係が上手くいかず孤立している
- 努力をしても仕事についていけない
- 周囲を怒らせてしまうことが多いが、なぜかが自分でわからない
などの問題がおこります。
広汎性発達障害は、症状が目立ち始めるのは主に集団行動の生活に入ってからです。
重度の患者さんでは幼少期に何らかの指摘がされるケースもありますが、多くは幼稚園や小学校などの生活の中で問題がふくらみます。
さらに軽度の人では、学生時代の間はその傾向が大した問題にならず過ごせてしまうことも多く、先生から注意される回数が多かったり、友人との摩擦が多かったりしても学業に特別な遅れが無ければ、「ちょっと変わった人」程度の認識で済んだりしますし、友人関係もそれなりに保っていられます。
ところが、社会に出ると対人関係は広くなり、広汎性発達障害の人が一番苦手な建前と本音の使い分けも頻繁になりますし、臨機応変にやり方や対応を変化させなければいけない機会が増え、相手の隠れた意図をくみ取らなければいけなかったり、言葉が無くても場の雰囲気を察知して自分で動くような能力が要求されるようになります。
また、仕事には学生時代のような教科書はないし、先生のように順を追ってじっくり教えてくれる人はいません。
そのような状態になったとき、軽度の人も能力の限界を超え、急に社会的な困難を感じることが増えます。
学生時代は優秀だった人も職場では途端にミスが目立ち始め、周囲のペースについていけなくなります。
対人関係もある程度気ままさが許される学生時代とは異なり、職場では「スムーズに仕事上のやり取りができるかどうか」や「上下関係や外交など様々な関係を上手く処理できるか」が円満な対人関係には不可欠になり、コミュニケーションの壁にぶつかってしまいます。
対人関係や仕事でのストレスは、一般の方でも大変です。
それが障害を抱えているとなるとなおさらで、一生懸命努力をしても上手くいかず、周囲から理解もされない日々が続けば精神的に追い詰められてしまい、不眠、不安障害、うつ状態などが2次的に引き起こされることもあります。
最近は発達障害の存在が広く知られるようになったため、「もしかしたら自分は発達障害では」と思い当たったり、職場や周囲から「発達障害かもしれないよ」と指摘されたりして病院を訪れる「大人の発達障害」の方が増えています。
広汎性発達障害の原因
この障害の原因には、遺伝子、バイオマーカー、脳内物質の関与など様々なものが指摘されていますが、はっきりしたことはわかっていません。
広汎性という名前に表現されるように、この障害の症状は非常に個人差が大きく程度は様々で、原因も人によって異なる要素が組み合わさっていると考えられています。
ですがざっくりした概念で見ると、「脳に微細な異常がある」ことから障害がおこっていることが想定されています。
それは後でおこった事故などによる異常ではなく、生まれ持ったものと推定されています。
広汎性発達障害の患者さんの脳波を調べると、何らかの異常波形の出現が多いことが報告されています。
また、社会的行動に関係する脳の部位の体積が小さいという研究結果もあります。
つまり、広汎性発達障害は生まれつきの脳の特徴に基づいたもので、親の育て方など心理的な要因でおこった心の病というわけではありません。
もちろん、成育環境が状態を左右することはあり得ますが、根本の原因は生まれつきのものと推定されています。
どかに原因があるかについては様々な知見が報告されており、以下のようなものがあります。
- 脳のネットワーク連結機能の低下
脳内で情報をやり取りするネットワーク機能が低下し、社会性に障害が出ているという説です。
- 感情に関わる扁桃体の異常
扁桃体はうつ病や不安障害にも関わるとされる部位で、主に感情を司る重要な部位の1つですが、相手の表情を検知する働きもあると考えられています。
広汎性発達障害の方はその機能が障害され、相手の表情に合わせた振る舞いが困難になるという説です。
- 紡錘状回の異常
紡錘状回(ぼうすいじょうかい)は、相手の顔を認識する部位です。
ここが障害されると相手の顔が覚えられないという症状が出る他、コミュニケーションの支障が推測されます。
- 上側頭溝の異常
こちらは相手の目・口など部分的な動きを検知する働きがあるとされている部位で、広汎性発達障害の「アイコンタクトができない」「視線を合わせられない」などの症状に関わっているのではないかと考えられています。
- 前頭葉の異常
前頭葉にはミラーニューロンという神経があり、他者の行動を見て自分も同じことをするような反応に関わり、共感の感情を司ると言われています。
広汎性発達障害の患者さんでは共感の欠如が見られることが多いため、前頭葉の障害も指摘されています。
- 小脳の異常
小脳は、協調運動や平衡感覚などを調整する部位です。近年では、感情や認知にも関わっているのではないかとする報告もあります。
広汎性発達障害の患者さんの研究では、小脳の異常が報告されることもあります。
- 脳内物質の異常
様々な情動に関わる脳内物質のうち、セロトニン・グルタミン・オキシトシンなどの異常が考えられています。
セロトニンは気分に関わる神経伝達物質で、うつ病や不安障害との関連は明らかになっています。
広汎性発達障害の患者さんにおいては、セロトニンやセロトニンの前駆物質トリプトファンの血中濃度が高くなっていると報告されています。
また、セロトニン受容体の働きが低くなっているという報告もあります。
グルタミン酸は興奮に関わる神経伝達物質で、こちらの血中濃度も上昇していると言われています。
ただ、具体的にそれが障害とどう関与するのかまでは明確にわかっていません。
オキシトシンは、社会的な行動に関連すると推定される物質で、広汎性発達障害への影響が注目され、現在研究が進められています。
広汎性発達障害の患者さんの血液中ではオキシトシン濃度が低下しているという報告があり、オキシトシンの投与によって状態が改善したとする研究報告もあります。
この研究が進めば、新たな治療の方法が開けるかもしれないと期待が高まっています。
このように、広汎性発達障害の原因としては、様々な脳の部位や脳内物質の関わりが指摘されていますが、今のところすべての患者さんに共通して見られる原因は特定されていません。
どれも仮説の段階にとどまっています。
広汎性発達障害の検査
広汎性発達障害では、問診を中心にして診断をすすめていきます。生まれ持って特性が持続していることも大切なので、幼少期のエピソードなども必要になります。
- 幼少期の絵
- 通知表の先生のコメント
- 両親の話
などから幼少期を探っていきます。
そして現在の生活での問題点が、本人の要因として起こっていることなのかを考えていきます。
広汎性発達障害の患者さんでは、本人の見え方と周囲の見え方がズレてしまうことも少なくありません。
診断をしていくためには、周りの方からの客観的な情報が必要になる場合もあります。
広汎性発達障害の検査は、このような問診の補助として行われます。当院では、
簡易検査のみ行うことができます。
発達の特性を理解するためには、詳しい知能検査を行う必要があります。
- WISC:16歳未満
- WAIS:16歳以上
となります。いずれも臨床心理士が実施することがほとんどで、検査だけで2~3時間かかります。
結果の解釈にも時間がかかるため、しっかり行うと1日仕事になってしまうこともあります。
このため保険適用で、「操作と処理が極めて複雑なもの」として最高の450点(4,500円)となり、3割負担の方であれば1,500円ですみます。
人件費を考えていただくと採算がとれないために、保険適用で行っている医療機関は限られてしまいます。
心理オフィスなどで、2~5万ほどの自費で行っているところも多いです。
あえて自費として、カウンセリングサービスとして提供している医療機関もあります。
広汎性発達障害の治療
広汎性発達障害の治療では、必ずお薬を使うわけではありません。
中核症状の「コミュニケーションの困難さ」や「強いこだわり」はお薬で変えられるものではないからです。
しかし、それらの症状からおこる社会的生きづらさ、対人関係のストレスなどによって二次的な症状が目立っているときには、お薬の力が有効な場合があります。
例えば、
- イライラや衝動性、攻撃性が高まっている
- 落ち込みや抑うつ状態がひどい
- 不安感が強い
- 不眠や食欲低下がある
などの症状があれば、お薬の使用が有効です。抗うつ剤、抗精神病薬、気分安定剤などを状況に応じて慎重に投与していきます。
この障害の治療でのお薬の役割はあくまでも補助ですので、できるだけ少量で抑えていくのが基本になっています。
そのお薬が根本の生きづらさそのものを治せるわけではないので、お薬と併用して少しずつコミュニケーションの練習をしたり、自分の気持ちを表現するようにしたり、職場や生活の環境調整を行い、障害と上手く付き合う術を身に着けていくことが大切です。
ソーシャルスキルトレーニング(SST:社会技能訓練)を少しずつ行っていき、自然に想像できない部分は知識で習得していくようにしていきます。
脳波で診断はできず、特性はTMS治療ではよくならない
近年、QEEG検査や光トポグラフィー検査を踏まえて発達障害を診断し、自費のrTMS療法(経頭蓋磁気刺激療法)をすすめられる方からのご相談が増えています。
このような脳波検査などで本当に診断ができるのであれば、診断基準でも必須の検査となり、どの医療機関でも導入されるかと思います。
また二次障害としてのうつ状態に対してはrTMS療法の効果が期待できますが、発達特性自体が改善することは、残念ながら期待できません。
広汎性発達障害を診断するメリット・デメリット
広汎性発達障害は、現段階ではっきりとした原因や治療方法の確立している病気とは異なり、必ず診断を下して治療を受けなければいけないわけではありません。
社会的困難度の高い重度の患者さんの場合は福祉の援助を受けるために診断は重要ですが、症状が軽く一応普通の社会生活をおくっている方は、患者さん自身が望まないなら無理に病院を訪れる必要はないのです。
ただ、自分が発達障害を抱えていることがわかり、それまで自分の努力不足と思っていたことが実は脳の特性のためだったと客観的に診断してもらえれば、自己否定や自責感から解放され、前向きに対応しようとできるメリットがあります。
発達障害の方は、「原因のわからない生きづらさ」に悩まされていることが多いはずです。
原因がわからないことには対処の仕様がありません。その原因が発達障害だったと知ることで、心の負担が取れる方も多いです。
発達障害そのものを治すお薬は無いものの、二次的におこっているうつ状態や不安感を改善するお薬はありますし、これまで1人で抱えていた悩みを医師に相談し、対応を考えられるというメリットもあります。
また、症状や状態によっては障害手帳を申請して障害者枠での雇用を利用したり、職場に障害を伝え、特性に合った仕事内容に配置転換を頼むなどの対応がやりやすくなる場合もあります。
職場以外でも、周囲のご家族や恋人・友人などに障害の特性を知ってもらうことで、関係がスムーズになる可能性もあります。
一方、診断を受けることでデメリットが生じるケースもあります。
自分自身が発達障害と認定されることでかえって傷ついたり、自信を失ってしまったりする性格の方もいますし、反対に「自分は発達障害なんだから上手くできなくて当たり前」と妙に開き直ってしまい、必要な努力を放棄する方もあります。
それから、病院での治療や周囲からの理解に対し、過大な期待を抱きすぎるのも危険です。
発達障害の診断を受けられたとしても、それだけで劇的に何かが変わるというわけではありませんし、職場や周囲から理解を得られずかえって偏見を招くケースもあります。
障害と診断されたとしても、自分の持った苦手な特性と付き合い、仕事や対人関係をスムーズに進めるために努力や工夫が必要なことは同じです。
病院での治療は、医師の立場からのアドバイスやお薬の調整などのサポートが行える範囲です。
障害と現実生活との折り合い自体は、患者さんが主体になって決断・実行していくことになります。
診断されることで劇的な何かを期待しすぎると、現実とのギャップにかえってストレスが増え、「自分は障害があるのになぜ誰もわかってくれないんだ!」と無駄に怒りがふくらむこともあります。
最近は大人の発達障害が認知され、「自分も発達障害だと思う」と病院を訪れ、診断を求める方も増えています。
ですが大人の発達障害は診断が難しく、診断には時間がかかることもありますし、状態によっては診断がつかないケースも多いです。
医師の間でも大人の発達障害の診断については様々な意見があり、診断することでのメリット・デメリットの見極めが難しい疾患の1つです。
ですが診断はつけられないまでも、発達障害由来の生きづらさに目を向け、そこから発生しているうつ状態や不眠などへの対応を通して、治療的なかかわりを行っていきます。
同じうつ状態を治療するにも、その背景に発達障害の要素があるかないかを識別することは非常に重要です。
それによって治療の方針や対応も異なってきます。
発達障害においては診断そのものより、曖昧なグレーゾーンも含め「発達障害の特性がどの程度あるか」「そのことが現実にどんな問題をおこしているか」「具体的にどのような対応ができるか」という部分を中心に見ていくことが大切という考え方に変化しています。
上手く自分の状態を把握してくれる主治医の元で治療を受けながら、日々の問題と向かっていくことは、患者さんにもメリットになる部分があるでしょう。
広汎性発達障害と仕事
この障害では仕事に支障が及ぶことは多いですが、とくに軽度の方では能力自体は優秀なことも少なくありませんし、職種によっては特性がかえってメリットになるケースもあります。
苦手なコミュニケーションや臨機応変な対応について工夫をしていけば、仕事に適応していくことは十分に可能です。
その際に大切なのは、自分の特性を理解し、周囲にも協力してもらえることがあれば協力を頼むことです。
仕事上で問題になりやすい特性としては、
- 自己流のやり方へのこだわりが強い
- 不器用
- 臨機応変な対応が苦手
- 複数の作業を同時進行しにくい
などがあります。
また、チームで仕事をする環境なら、
- 対人関係が苦手
- 相手の立場になって考えられない
- 喜びや達成感などを共感しあうのが苦手
などの特性で、仕事が上手くいかないことも考えられます。
広汎性発達障害(自閉スペクトラム障害)の方にとって、多くの人とやり取りして行うチームワーク性の高い仕事や、素早い対応が必要な仕事はかなりハードルが高いと言えます。
可能であれば、できるだけ自分のペースで行えるような部署や職種の方が能力は発揮しやすいでしょう。
もし、上司や同僚に理解を求められるような人がいる場合は、自分の特性を話し、配慮してもらえると上手くいくときもあります。
広汎性発達障害(自閉スペクトラム障害)の方が適応しやすい仕事の要素としては、
- できるだけマニュアル化されている
- 1つの作業を黙々と行う
- 自分のペースでできる
- 多くの人とのやり取りを必要としない
などがあげられます。このような環境に置かれると、障害の特性がかえって利点となって発揮される可能性があります。
具体的には、
- 入力事務
- マニュアル化されたライン作業
- 研究・調査
- 在庫管理
- 品出し
などの仕事には適応しやすい方が多いようです。一般の人は嫌がる地道な仕事をコツコツとこなし、重宝される場合もあります。
職場に障害を伝えた方がいいかどうかは状況によって異なりますが、障害と言わずとも、「自分はこういうことが苦手だ」ということは直接の上司や同僚に伝えられた方が好ましいでしょう。
例えば、「曖昧な言い回しを理解するのが苦手なので、指示は具体的に出してほしい」「臨機応変な対応が苦手なので、できれば前持って変更などを伝えてほしい」など、自分の苦手と、どうしてもらえば対応しやすいかを伝えておくと、患者さん本人も周囲もやりやすくなります。
ただ、広汎性発達障害の方は表情などを上手く使うのが苦手なので、ストレートに言葉だけを伝えると「上司に指示するなんて偉そうな奴だ」と誤解されてしまうこともあります。
「申し訳ありませんが」や「お手数かけますが、努力しますのでお願いします」のような言葉をつけるように意識したり、実際に物を頼んでいる人を見て、どのような態度がふさわしいかを参考にしたりしてみましょう。
周囲の方との接し方
広汎性発達障害は、基本的にコミュニケーションが苦手です。
無理に大勢とコミュニケーションを取る必要はありませんが、全くの1人で生活できる環境はなかなか無く、家族、恋人、職場の人など最低限の人とはコミュニケーションを取らなければいけません。
できるだけ良好な関係を保つためにはどのようなことを意識すればいいのでしょうか?
患者さん本人が心がけること
- できるだけ具体的に話してもらうように頼む
- わからないことは確認する
- 生活上のルールを具体的に決めておく
- 得意を生かして苦手をカバーする
- 相談できる第3者を持つ
広汎性発達障害の患者さんは、抽象的な言い回しや曖昧な表現が苦手です。
それが苦手だということを、相手にもわかっておいてもらうとコミュニケーションがしやすくなります。
多くの人は「こう言えば伝わるだろう」「このくらい言わなくたってわかるだろう」と、自分の感覚に乗っ取って話をします。
ですがそれがわからないときは、「自分にはよくわからないから、はっきりどうすればいいか具体的に伝えてほしい」とお願いすると、やりやすくなります。
また、意味がよくわからないときには、自分の言葉で「それは~ってこと?」と確認するようにすれば、会話のすれ違いによるトラブルが防げます。
同居者がいる場合、家族や恋人間では暗黙のルールが生まれますが、広汎性発達障害の方はそれを察知するのが難しいので、できれば話し合って生活のルールを具体的に決めるようにしておくと、トラブルが避けやすくなります。
また、苦手な部分に直面することもあるかと思います。苦手を伸ばしていくよりも、得意な部分でカバーする方法を考えていくほうが近道です。
例えば情報のインプットで考えたときに、「耳から聴いた情報」と「目で見た情報」とでは、得意不得意が分かれます。
聴いたことを覚えておけないのであれば、メモを必ず取るなどして目でインプットするようにしましょう。
そして、対応に困ったとき、冷静なアドバイスをしてくれる第3者がいると心強くなります。
わからないことは、1人で考えてもわからないままです。
医療機関で主治医やカウンセラーに相談する手もありますし、同じ障害を持った人の集まりなどに参加したり、福祉サービスなどを活用してみましょう。
周囲の方が心がけること
- 感情的にならず具体的な言葉で伝える
- 症状は割り切る
- 本人の見え方と周りの見え方にズレがあることが多いと認識する
- 独特なフィルターで消耗してしまうことがあることを認識する
- 相談できる第3者を持つ
広汎性発達障害の人には、なかなか周囲の方の意図が伝わりません。
コミュニケーションが上手くいかないと疲れてきたり、「なぜこの程度のことがわからないんだ!」とイライラしてしまったりすることもあるかと思います。
とくに近しい家族や恋人の場合、自分の感情の方を何とかわかってもらいたいと思うことも少なくないでしょう。
けれど、感情的になるとますます意図が伝わらなくなります。
広汎性発達障害の患者さんに対しては、「具体的に」「実際にしてもらいたいことを」「言葉で伝える」ことが大切です。
また、コミュニケーションが難しく、周囲の気持ちや空気を察知しにくいことに関しては、それが障害の症状なんだとある程度割り切ってあげてください。
それは患者さんのせいではなく、持って生まれた特性の1つです。
足に障害を持つ人に「何でみんなと同じ速度で歩けないんだ!」と怒るのと同じと心得、できるだけ割り切り、実際にやってほしい行動の方を具体的に伝えていくようにすると、周囲の方のストレスも軽減されます。
そして患者さん自身の見え方と、周囲の見え方が大きくズレてしまうことも少なくありません。
認識の違いに気づいたら、それを少しずつ修正していきましょう。
患者さん本人は独特のフィルターを持っているために、周囲にはわからないうちに消耗してしまうこともあります。
そういったフィルターを少しずつ理解し、消耗している場合は無理をさせないようにしましょう。
そして、患者さん本人と同じく、周囲の方も対応に困ったり行き詰ったりしたとき、相談のできる医療機関や家族会などとのつながりがあると心強くなります。
悩んだときは1人で抱え込まず、障害の知識を持った場所や人に相談してみましょう。
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害) 投稿日:2023年3月23日
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