認知症が一気に進む原因・対策は?見間違えるケースを紹介
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基本的に認知症は徐々に進む病気です。しかし時には認知症が一気に進むことがあります。この原因は何なのでしょうか?
この記事では、認知症が一気に進む原因と対策を解説します。また認知症が進行したように見えて、実は違うケースをご紹介します。
認知症の人の介護をする際に役立ててみてください。
環境の変化によるストレス
以下のような環境の変化があると一気に認知症が進むことがあります。
- 入院
- 引っ越し
- 部屋の模様替え
- パートナーや友人との別離
認知症になると周囲の状況を理解しにくくなります。そのため環境が変わると不安や恐怖をいだきやすく、ストレスがかかるのが特徴です。
ストレスがかかるとコルチゾールの分泌が高まり、脳にも影響がでてしまいます。
前頭前野と呼ばれる認知機能を司っている高次脳機能が低下し、うつ状態につながることもあります。
こういった場合には認知症が一気に進むことがあるでしょう。
その結果、介護拒否、徘徊、幻視などが出現することもあります。
認知症の人を取り巻く環境が変わるときには注意が必要です。
考える機会が少なくなった
以下のような事例において考える機会が少なくなると、一気に認知症が進むことがあります。
- 会計の管理を人に任せるようになった
- 家事を家族やヘルパーが全てを行うようになった
- おむつを付けてトイレに行かなくなった
介護者が身の周りの全てのことを行うようになると、認知症の人は自分でしなくてよくなります。
ボーっとしている時間が増えてしまい、考える機会が減り脳の機能が低下します。
判断力もさらに低下し、認知症が一気に進むことがあるでしょう。介護者がよかれと思ってしたことが仇となってしまうわけです。
認知症の人が自分でできることは自分でさせたほうがよいでしょう。
行動を制限された
以下のような事例で行動を制限されると認知症が一気に進むことがあります。
- 入院
- ショートステイ
入院やショートステイを利用する際には、飲酒・外出が制限され、生活習慣が変わります。
今まで自分の思い通りにできていたことができなくなり、不自由を感じるはずです。
認知症のため、入院やショートステイの意味が分からないと、なおさらその傾向が強まります。
ストレスがかかり、意欲も低下して、一気に認知症が進むことがあるでしょう。
ですが入院も必要性があるからですし、ショートステイも介護者の休息のためにも重要です。
この際には対策を立てるのは難しいかもしれません。
ミスを強く責められた
認知症の人は他人から叱られても、自分では理由が分かりません。しかし叱られて嫌だった気持ちは残るものです。
ミスや問題行動を強く責められると恐怖をいだくことがあります。
恐怖を回避するため行動の意欲が薄れしいまい、行動の減少が脳の老化を早めるでしょう。
またストレスがかかり、コルチゾールが増加して注意力・記憶力が低下します。
さらに喪失感をいだき、うつ状態になることがあります。
その結果、一気に認知症が進むかもしれません。
基礎疾患が進行した
高血圧・糖尿病・パーキンソン病・歯周病などの進行により認知症が進むことがあります。
- 高血圧は脳出血・脳梗塞の原因となり、血管性認知症を引き起こします。
- 糖尿病になるとアルツハイマー型認知症の原因となる「アミロイドβ」がたまりやすいのが特徴です。
- パーキンソン病の約40%の人は認知症になることが分かっています。
- 歯周病は「アミロイドβ」の蓄積を早め、認知症の原因になります。
施設に入所すると認知症が進むわけではない
施設に入所すると認知症が進むといわれますが、本当でしょうか?
本当に認知症が進んだのではなく、そう見えるだけのケースがあります。
対人関係の変化に慣れていないだけ
だれでも新しい対人関係を築くのは難しいはずです。認知症の人も施設に入って他の入居者と人間関係を築くのに時間がかかります。
最初は孤立しており、認知症が一気に進んだようにみえるかもしれません。
決めつけてしまわず、関わりをもつことにより、状況が変わってくるはずです。
人との関わりができてくると、刺激が増え、認知症の進行を遅らせる効果があります。
新しい環境に慣れていないだけ
入所により生活様式が変わるとしばらくはなじめないのは当然でしょう。
今までできていたことができなくなり、認知症が一気に進んだようにみえるかもしれません。
時間がたてば環境になじみ、以前のようにできるようになるはずです。
服薬量の変化も関係する
施設入所により服薬管理が行われることが多いでしょう。
この際に今まで飲めていなかった薬をきちんと飲むようになるケースがあります。
処方薬の中に安定剤や睡眠薬が含まれていると、効きすぎて日中もボーとするかもしれません。
その結果、認知症が一気に進んだようにみえます。
この場合は、主治医と相談して服薬量を減らせば解決します。
まとめ
認知症の人は、環境が変わったり、考える機会が少なくなったり、行動を制限されたりすると、ストレスがかかり、脳神経細胞の働きが悪くなります。
その結果、認知症が一気に進行することがあります。
対策は、原因となる変化を極力減らすことです。
また施設に入所すると認知症が進むといわれますが、環境の変化が原因となって、そういう風に見えるだけで、しばらくすると元にもどることがあります。
いずれにしても認知症が進行すると、本人も介護者も困りますので、担当医とよく相談しながら対応してください。
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カテゴリー:認知症 投稿日:2023年8月20日
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