認知症による徘徊への対策は?有効なグッズ・探し方を解説
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認知症の方は、あてもなく徘徊して、行方不明になることがあります。ご家族は困り果て、徘徊への対策を知りたいはずです。
本記事では、認知症の人が徘徊する原因・理由、徘徊対策に有効なグッズ、徘徊している人の探し方、徘徊している人を放置したら罪になるのかについて解説します。
これを読めば、認知症による徘徊への対策が分かります。認知症の方の介護をする際に役立ててみてください。
認知症の人が徘徊する原因・理由
徘徊とは、あてもなくうろうろ歩き回ることです。認知症における徘徊の原因は認知機能の低下であり、本人なりの理由があります。
たとえば買い物に行こうとして道順や目印を忘れ、道に迷って徘徊します。家族や知人の顔が分からず不安となり衝動的に外へ飛び出す場合もあるでしょう。
自宅から「家へ帰る」といって外出し、家が分からず徘徊することもあります。定年退職した会社へ出社しようとして、行き先が分からず徘徊しているのかもしれません。
小さな子どもを迎えに行こうとして、行き先が分からず徘徊することもあります。自分の持ち物のありかが分からず、探すために家の中を徘徊することもあるでしょう。
家の中でトイレの場所が分からず徘徊しているかもしれません。
認知症の徘徊対策に有効なグッズ
徘徊する認知症者の現在位置を知らせるGPS、徘徊を防止する玄関の鍵をご紹介します。
認知症徘徊対策GPS
NTTドコモのGPSを活用し、位置検索精度の4Gに対応したグッズです。ドコモの携帯電話が利用できる地域なら、GPS末端を利用できます。
現在いる位置を任意の間隔で自動検索するとともに、その位置に行くまでの移動経路を把握が可能です。自宅等から設定距離(500m以内など)を超えたらメールでお知らせする機能もあります。
サイズは38.5mm×47.5mm×11.85mm、重量は25g。充電USB Type-Cで3日に一回の充電が必要です。
GPSをパジャマや洋服に縫い付けたり、かばんやキーホルダーに装着したりして活用します。GPS末端がぴったり入る専用シューズやお守り型のGPSケースもある優れたグッズです。
認知症の徘徊を防止する玄関の鍵
認知症の人は、知らぬ間に外出して、徘徊することがあります。知らぬ間に外出するのを防ぐために、玄関に鍵をかけても自分で開けて出てしまうでしょう。
ところが玄関ドアの内側からも鍵をかけられるタイプのものがあるのです。
室内側のドアのつまみを回すだけでは開錠できず、鍵がないと家の中からはドアを開けられません。鍵は徘徊する人には分からない場所に隠しておくとよいでしょう。
自宅の鍵はすべてこのタイプに変えると効果的です。これも優れたグッズだと思います。
認知症で徘徊している人の探し方
あらかじめ何度か一緒に外出し、出かける時間帯、歩き回るルートを把握しておくとよいでしょう。また徘徊する方の洋服の裏側に名前・住所を書いておきます。
徘徊していなくなったら、よく立ち寄る場所や店を探してください。早い段階で警察に捜索願を出すほうがよいでしょう。長い時間、行方不明だと、事故が起こるリスクが高まります。
認知症で徘徊している人がよく発見される場所
一般的によく発見される場所を示します。
- よく散歩をする公園
- いつも買い物に行っているお店
- 住み慣れた実家
- 友達や親せきの家など
まさかという場所にいることもあります。
- 自宅の押し入れの中
- 近所の家の庭
- 近所の側溝の中など
認知症で徘徊しているような人を見つけたらどうしたらよい?
認知症で徘徊している人を他人が見つけることはよくあります。その際にはどう対応したらよいのかを解説します。
- 周りの安全を確認
- そっと近づいて視野に入ってから声をかける
- あいさつしてから「何かお探しですか」などと尋ねる
- 状況から徘徊が疑われる場合、服や持ち物に名前・住所が書かれていないか確かめる
- 連絡先が分かれば家族に連絡
- 拒否された場合は、徘徊しているような人がいることを警察に通報する
- 家族や警察が到着するまでは、そばにいて見守る
認知症で徘徊している人を保護してくれた人にどんなお礼が必要?
感謝の気持ちを伝えるのが一番です。お金を使ったお礼はしなくてよいでしょう。近所の方で何度もお世話になっている方に何かお礼の品を渡す場合は、菓子折り、日用品、ギフトセットなどが適切です。
認知症で徘徊している人を放置したら罪になりますか?
徘徊して行方不明になった人を探そうとせずに放置し、溺死・凍死・事故などによって死亡することがあります。
こういったケースの場合、高齢な親で介護がなければ生きていけないことを知りながら放置したとみなされ、刑法218条「保護責任者遺棄罪」に問われる可能性があります。
3カ月以上5年未満の懲役が科せられます。
まとめ
認知症の徘徊対策に有効なグッズとして、認知症徘徊対策GPS、内側からもカギがかけられる玄関の鍵をご紹介しました。
徘徊して行方不明になった場合、徘徊する人がよくいく場所、まさかという場所を探してください。
また他人が認知症で徘徊しているような人を見つけたらどうしたらよいのかを解説しました。
さらに徘徊して行方不明になった人を探そうとせずに放置し、溺死・凍死・事故などによって死亡することがあります。
家族としての心配はもちろんですが、保護責任者遺棄罪に問われる可能性すらありますので、ちゃんとした対策が必要となります。
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:認知症 投稿日:2023年10月7日
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