就労移行支援はどこがいい?選び方の5つのおすすめポイント

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就労移行支援事業所のおすすめの選び方を精神科医がご紹介していきます。

就労移行支援とは、障害のある方が一般企業などへの就職を目指して、トレーニングや職場体験を行う福祉サービスを指します。

「体調に自信がないから、まずは働く準備から始めたい」と、就労移行支援の利用を考えている方もおられるでしょう。

就労移行支援事業所は、全国で3353カ所 あり[1]、東京都だけでも300カ所以上あります。

事業所ごとにそれぞれの特徴があり、選び方が分からず困っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、就労移行支援の選び方を5つのポイントから解説します。

就労移行支援選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

[1]厚生労働省「令和3年社会福祉施設等調査の概況」

「東京や横浜のおすすめの就労移行支援事業所が知りたい」という方はこちらの記事もおすすめです。

東京の就労移行支援事業所
横浜・神奈川の就労移行支援事業所

ポイント①:「総合型」や「特化型」など事業所のタイプから選ぶ

就労移行支援事業所のタイプを、特化型と総合型で分類しました。

就労移行支援は、就職を全般的に支援する「総合型」と、特定の障害への対応や、専門スキルの習得を重点的に行う「特化型」に分けられます。

総合型は、概ね全ての障害の種類に対応しています。

大手の事業所が運営するところが多く、複数の事業所があるため、通いやすいというメリットがあります。

「就職はしたいけど、希望する業界や職種は決まっていない」という方は、総合型に通ってみるとよいでしょう。

一方で、特化型は障害の種類や学びたい専門スキルに特化したプログラムや支援内容を提供していることが特徴です。

具体的には、以下のような分野に特化している事業所が多いでしょう。

  • 障害特化型:発達障害、うつ病、統合失調症
  • スキル特化型:プログラミング、Webデザイナー

就職したい分野が明確に決まっている場合には、スキル特化型の事業所を選ぶとよいでしょう。

また、すでに障害が原因で就職がうまくいかなかった経験がある方は、障害に特化した事業所を選んだ方が適切な支援を受けられます。

ポイント②:プログラム内容で選ぶ

プログラム内容から就労移行支援事業所を選びましょう。

自分に必要なプログラムがあるかどうかも、就労移行支援を選ぶ際に重要なポイントです。

就労移行支援で行われている主なプログラムは以下の通りです。

  • 生活面の管理:食事や服薬管理、生活リズム改善、運動
  • 自己分析:障害特性の理解、ナビゲーションブック(※)の作成
  • ビジネススキルの習得:電話対応、ビジネスマナー
  • 作業スキルの向上:PCスキル、専門的なスキル(CADやプログラミングなど)
  • コミュニケーション能力の向上:SST、アンガーマネジメント、アサーショントレーニング
  • 就職活動のサポート:面接対策練習、履歴書添削、職場体験

※ナビゲーションブック:自分の症状や強み、弱み、働く上での配慮の希望などを記載したもの。

事業所ごとに、どのプログラムに力を入れているかは異なります。

ホームページなどから、受けたいプログラムがあるかどうかを調べてみましょう。

ポイント③:就職先や就職率、定着率を参考にする

就労移行支援事業所を、就職率から選んでいきましょう。

就労移行支援を選ぶ際には、就職の実績も重要です。

実績を参考にする際には、「就職先」「就職率」「定着率」の3つを確認するとよいでしょう。

就職先:どの企業に就職した実績があるか

就労移行支援でトレーニングを受けた後、どのような企業に就職しているかをチェックしてます。

どのような業種や職種が多いか、企業の規模はどれくらいかなどをチェックし、自分の希望に合うか確認するとよいでしょう。

就職率:利用者の何%が就職できているか<

就職率は、就労移行支援の利用後に、一般企業などに就職できた利用者の割合です。

平成30年度の全国平均の就職率は、52.9% [2]であり、約半数が就職につながらない現状があります。

どのくらいの利用者が就職につながっているのか、実績をきちんと確認する方がよいでしょう。

[2]厚生労働省「就労移行支援・就労定着支援に係る 報酬・基準について」

定着率:半年以内に就労を継続できているか

定着率は、就職後に継続して働けているかどうかを示す割合です。

就職率だけでなく、きちんと継続して働けているかについても、確認しておきましょう。

障害者職業総合センターが行った全国調査[3]では、6カ月以内の定着率が89.6%とされています。

精神障害が86.8%、身体障害が85.0% と、障害によって定着率に差があるため、85~90%の定着率を目安として考えておくとよいでしょう。

[3]障害者職業総合センター「障害者の就業状況等に関する調査研究」

ポイント④:昼食や交通費の補助があるか

就労移行支援事業所の選び方のポイント4を精神科医が詳しく解説していきます。

就労移行支援の利用中は、働けないため、給料がありません。

そのため、できるだけ金銭的な負担を減らせるところを選ぶことも大切です。

事業所によっては、昼食が提供されたり、交通費を補助してもらえたりするところがあります。

毎日通所するとなると、昼食代や交通費は金銭的負担になるため、確認しておくとよいでしょう。

なお基本的な利用料は、各就労移行支援事業所での違いはありません。

ポイント⑤:実際に見学して決める

就労移行支援事業所の選び方のポイント5を、精神科医が解説します。

ホームページからの情報だけでは、イメージが湧きにくいこともあります。

実際に見学し、相性や通いやすさを確認するとよいでしょう。見学の際に確認しておくとよいポイントは以下の通りです。

  • スタッフとの相性や質:話しやすい、専門的な知識が豊富そう、忙しそう/余裕がありそう
  • 場所:最寄駅からの距離は遠くないか、働きたいエリアにあるか
  • 時間:通所したい時間の電車の混み具合はどうか
  • 設備:設備や備品は使いやすそうか、個別スペースがあるか

就労移行支援選びに迷ったら見学がおすすめ

就労移行支援事業所のおすすめの選び方を精神科医が詳しく解説します。

就労移行支援を行う事業所は数多く、ネットで検索してもいくつもの事業所が表示されて、選びにくいことがあるでしょう。

通所のイメージが湧かない場合は、いくつかの事業所を見学し、比較してみることをおすすめします。

自分に合った就労移行支援を選び、希望の企業に就職できるよう、取り組んでいきましょう。

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執筆者紹介

大澤 亮太

医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師

日本精神神経学会

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了

カテゴリー:地域のクリニック紹介  投稿日:2023年6月15日

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