お薬をコーヒーで服用するとどうなる?お薬とコーヒーの飲み合わせ
コーヒーでお薬を飲むのは良くない?
お薬を飲むときには、お水かぬるま湯が理想的です。お薬の用法・用量は水で服用したときのデータをもとにして決められているのです。
ですが、食後や飲みかけのコーヒーなどでお薬も一緒に飲んでしまう…という方もいらっしゃるかもしれません。
コーヒーでお薬を飲むとお薬の効果や副作用にはどのような影響があるのでしょうか?
お薬とコーヒーの飲み合わせ
結論から先に言いますと、コーヒーでお薬を飲むのは好ましくありません。
コーヒーにはカフェインがたくさん含まれています。お薬をコーヒーで飲んだときは、カフェインの作用がさまざまな影響を与えることがあるのです。
- 胃酸分泌作用
- 利尿作用
- 肝臓の代謝酵素への作用
順番に確認してみましょう。
胃酸分泌作用
カフェインには胃酸の分泌を促進する作用があります。
すきっ腹にコーヒーを飲むと胃がむかむかしたりしますよね。
コーヒーでお薬を飲むと胃にも負担がかかりやすいため、できれば避けた方がいいでしょう。
利尿作用
カフェインには利尿作用もあります。コーヒーを飲むとトイレが近くなるのはこのためです。
利尿作用はお薬の代謝を速めてしまい、効果を薄れさせることがあります。
肝臓の代謝酵素への作用
コーヒーは肝臓の代謝酵素にも影響します。
「CYP1A2」という酵素の阻害作用があり、喘息などで使われるテオドール、パーキンソン病治療薬のレキップなどの代謝に影響を与えます。
コーヒーとの飲み合わせに注意が必要な精神科のお薬
精神科のお薬の中で、とくにカフェインとの相互作用に気を付ける必要があるものとしては、
- フルボキサミン(デプロメール/ルボックス)
- リチウム(リーマス)
があげられます。
抗うつ剤SSRIのフルボキサミン(デプロメール/ルボックス)では、カフェインのCYP1A2阻害作用で血中濃度が上昇してしまいます。
反対に、双極性障害に使われる気分安定薬のリチウム(リーマス)では、カフェインの利尿作用で排泄が促進されて効果が薄れる可能性があります。
精神疾患とコーヒー
コーヒーに関してはお薬との飲み合わせだけでなく、中枢刺激作用に注意する必要があります。カフェインは興奮物質で、交感神経が刺激されて緊張状態になります。このため不安を生じ、不眠にもつながります。ですので、精神疾患のうちでも不安の病気や不眠症の方は、摂取しないほうが好ましいのです。
カフェインは摂取してから30分程度で覚醒作用が始まり、2~4時間後にピークを迎え、個人差は大きいですがおよそ7時間後までその作用が持続します。
コーヒー1杯にはおよそ100mgのカフェインが含まれています。カフェインを一日に250mg以上摂取していると、慢性カフェイン中毒になると言われています。カフェインが切れるとイライラしたり、不安になったりします。ですからお薬への影響だけでなく、ほどほどで控えるようにしましょう。
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カテゴリー:お薬の基礎知識 投稿日:2019年12月6日