傾聴と承認!?精神科訪問看護師に必要なコミュニケーションスキルについて
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精神科訪問看護師として働く上で、利用者とのコミュニケーションはとても重要です。
皆さん、コミュニケーションと聞いて、どんな考えが浮かびましたか?
「コミュニケーションは得意分野!」という方もいれば「精疾患の人とのコミュニケーションは難しそう…」「病院での勤務は忙しくて、患者さんとコミュニケーションを取る暇なんてない」と感じている方もいるのではないでしょうか。
今回は、精神科訪問看護師にとってのコミュニケーションについて解説します。
精神科訪問看護ではなぜコミュニケーションが重要?
精神科訪問看護師の主な役割は、利用者のセルフケアを援助することです。中には、清潔ケアや食事介助など、直接的に看護師が利用者のセルフケアを充足させることもあります。
しかし、精神科訪問看護の利用者は、ADL(日常生活動作)が自立していることが多いです。
そのような利用者には、看護師が直接ケアをするよりも、利用者がより自立した生活が送れるような関りが求められます。
内服に対して拒否的な人、生活習慣に問題がある人等、利用者ごとに様々な課題があります。
利用者の行動変容を促すことができる関わりを持つためにも、精神科訪問看護師にとって、コミュニケーションは重要なのです。
傾聴の姿勢を身に付けよう
コミュニケーションには様々な技法がありますが、今回はコミュニケーションの基本的態度である「傾聴」についてお話します。
看護師には、学生の頃から馴染みのある用語だと思いますが、皆さん実践できていますか?
アメリカの心理学者、カール・ロジャーズが提唱した「積極的傾聴」では、傾聴の3要素として、次のように述べています。
- 共感的理解
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。 - 無条件の肯定的関心
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。 - 自己一致
聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。
厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳より引用
傾聴は、利用者との信頼関係を構築するだけではなく、利用者が看護師に対して、話したいことを率直に伝えられることで、利用者の課題解決に繋がる大切な態度です。
利用者に指導するため、つい話を最後まで聞かずに否定的なことを言ってしまうことがあるかもしれませんが、それでは利用者が心を閉ざしてしまう恐れがあります。
利用者の自立した生活を支えるために、まずは傾聴することが大切と言えるでしょう。
そしてそのように考えることは理解できるという解釈を自然に伝えるだけで、「承認」となります。
他者に聴いてもらって理解してもらえたということが、本人の回復に向けた前向きな動機づけにつながります。
傾聴と承認は、支援者としての基本的なコミュニケーションスキルといえます。
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カテゴリー:訪問診療/訪問看護 投稿日:2023年7月14日