お薬手帳のメリットとは?お得で安全な医療のための活用法
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「お薬手帳」持っていますか?
「お薬手帳をお持ちですか?」
最近はどこの薬局に処方箋を持っていっても聞かれますよね。
お薬手帳は診察券と違い、サイズもまちまちだし、常に持ち歩いている方は少ないのではないでしょうか?
また、「面倒くさい」「飲んでいる薬を知られたくない」などの理由で持たない方もおられるでしょう。
けれど、お薬手帳は安全で効果的な治療を受けるためのメリットが色々とあるのです。
2016年からお薬手帳持参で費用負担が安く
お薬手帳を持っていくと、薬局で支払う金額が安くなることをご存知でしょうか?これは2016年4月から実施されていて、
- お薬手帳持参→自己負担額が10~40円安くなります。
(※同じ薬局へ6カ月以内に処方箋をもって行った場合で、大病院の門前薬局は除く。初回や忘れてきたときは適応されません。)
それ以前は反対で、お薬手帳がある方が金額が高く設定されていて、
- お薬手帳持参→10~20円プラス
となっていました。
ですから、ほとんど病院に行かない・いつも同じお薬を飲んでいる患者さんにとっては、お薬手帳は不要なサービスと判断されがちでした。
けれど現在は、お薬手帳は
- 患者さん・医療者側どちらもにメリットが大きい
という考え方のもと、金額の負担を減らすことで積極的な活用をしてもらおうということになったのです。
薬局側からすると、お薬手帳をすすめると収益が下がるという構造ですが、薬剤師さん側も患者さんの情報を素早く正確に収集できるため効率よく調剤や説明ができるメリットがあります。
お薬手帳の必要性とメリット
患者さんにとってのお薬手帳のメリットは、
- より安全で効率的な医療を受けやすくなる
点にあります。
1.飲み合わせを確認してもらえる
複数の病院にかかっていた場合、飲んでいるお薬すべてを正確に伝えるのはなかなか難しいですし、手間もかかります。
お薬手帳を持参しておけば、それを渡すだけで正確な情報が伝わり、飲み合わせの悪いお薬を誤って処方されてしまうリスクを防ぐことができます。
2.無駄なお薬の処方を防止できる
副作用対策の胃薬・下剤・吐き気止めなどのお薬は、どの科でも処方されます。
しかし、似た作用のお薬でも多くの種類があり、名前が違うことが多いため、患者さん自身は知らないまま重複して飲んでしまっているケースが少なくありません。
そんなとき、お薬手帳があれば情報が薬剤師さんに伝わり、無駄なお薬が重ねて処方されてしまうことを防止できます。
3.より効果的な治療を受けやすい
お薬手帳は、「患者さんの受けてきた医療の歴史」でもあります。
どのような病院でどんなお薬を処方されてきたか、変更の流れなどを見ると、医師にも患者さんの全体像が伝わりやすくなり、治療のときの参考になることがあります。
4.緊急時に効力を発揮する
不意の大規模な自然災害などでは、お薬手帳が大きな効力を発揮します。
被災者の方が自分が飲んでいる薬を覚えている場合は、医療側の対応もスムーズでした。しかしながら複数のお薬を服用していたり、名前をおぼえづらい薬を飲んでいる方は、処方されるまでに時間がかかってしまいました。
今は災害対策について色々と言われていますよね。非常時に持ち出す大事なもののひとつにお薬手帳も加えておきましょう。
お薬手帳を効果的に使うための注意点
お薬手帳は、1冊にまとめることが大切です。そうしなければ、他の病院や薬局へ行ったときに正確な情報が伝わりません。
また、1冊使い切り新しく作った場合は、その前に使っていた手帳もしばらくは携帯しておくといいと思います。
表紙の裏には、アレルギーやこれまでかかった疾患を記録するスペースもありますので、そちらも記入していただければと思います。
スマートフォンのアプリによるお薬手帳も、無料で公開されています。冊子を持ち歩くのに抵抗があるかたは、アプリのダウンロードもご活用ください。
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:コラム 投稿日:2020年2月21日
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