あなたの心配性は「心配症」?治療が必要な心配性のチェック

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「ちょっとしたことが気になってしまう」
「心配になったら頭から離れなくなってしまう」
「心配のあまりにやるべきことが手につかない」

こういった傾向の方は、自分は心配性だと少なからず自覚していることと思います。ですが心配性は、性格と思っている方がとても多いです。

心配性の方は、「昔から細かなことが気になる性格だった」ということが多いです。心配性自体は悪いものではなく、細やかさは生きていく上でのプラスにもなります。

しかしながら心配性の方の中には、「心配症」といってもよい病的な不安や心配にとらわれていることがあります。本人は性格と思っているので、病気で治療が必要とまでは思っていないことが多いです。

慢性的な不安が持続する病気として、全般性不安障害があります。心配性と思っている方の中には、この全般性不安障害と診断して「心配症」の治療をした方がよい方もいらっしゃいます。

ここでは、あなたが治療が必要な「心配症」かどうか、一緒にチェックしていきたいと思います。

1.正常な「心配性」と病気と考えるべき「心配症」の違い

もともと心配性の場合は、本人が苦しんでいたり、生活に支障があったり、行動に明らかな影響があれば「心配症」として治療すべきです。もともと心配性ではない方が過剰に心配性になっている場合は、うつ状態であったりする可能性があります。

不安を感じてしまい、心配になって頭から離れなくなってしまう…誰しもあることかと思いますが、その不安の感じやすさや心配になりやすさは人それぞれです。

性格的な要素ももちろんあって、昔から「自分は心配性」と自覚されている方も少なくないでしょう。しかしながら、時にその心配が病的であることがあります。

正常な性格の延長線上の「心配性」と、病気として治療がした方がよい「心配症」にはどのような違いがあるのでしょうか?ここの線引きはとても難しく、意見もわかれるところです。

心配症という病気として、全般性不安障害という病気があります。この病気は、慢性的な不安が続くことで、様々な精神症状身体症状が認められる病気です。この病気の診断基準(DSM-Ⅴ)では、

  • 本人が困っている
  • 生活に何らかの支障が生じている

この2つになっています。確かに、本人が困ったり支障があれば、それを治療していくべきではありますね。

しかしながら心配性の患者さんは性格として割り切っていて、本人はそこまで困っていないし、表面上は何とか生活に支障なくやれていることもあります。そんな時は、「心配症」ではないのでしょうか?

例えば心配性のお母さんの中には、子供のささいなことが心配になってしまって、周りの人がビックリするくらい口を出し過ぎてしまっているかもしれません。子供の授業参観の日に、早朝から身支度に以上に時間がかかったりしているかもしれません。

このように、行動に明らかに影響が出ている時は、「心配症」として治療をしていったほうがよいのです。

もともと心配性ではなく、むしろ決断力があるような方でも、いろいろなことが気になってしまうようになることがあります。そのような時は注意が必要です。

ストレスがかかってきて調子が悪くなってくると、思考力が低下してしまいます。自分にも自信がなくなってきて、決断力や判断力も低下してしまいます。そうすると、ささいなことにも決断ができずに、不安や心配になってしまいます。

このように、うつ病などの症状のひとつとして心配性が出現することがあります。このような方は、すぐに専門家に相談した方がよいです。

2.心配性なことは悪いことではない

心配性はマイナス面だけでなく、「心を配れる」ことでのプラスの面もあります。生きていく上でのメリットもあるので、良い部分にも目を向けるようにしましょう。

心配性という言葉は、どちらかというと悪いイメージを持たれている方がおおいのではないでしょうか?病気とは関係なく、心配性を治したいと思っている方も少なくないでしょう。

心配性な性格というのは、決して悪い面だけではありません。心配とは、「心を配ること」になります。心配性ということは、いろいろなことに心を配れることになります。よく気がついたり、細かなところに目が行き届いたり、ミスを少なくできることにつながる長所でもあるのです。

心配性の方は、豪胆で決断力がある人が魅力的にうつるかもしれません。ですがそのような方は、細かなところが抜けてしまったりして悩んでいたりします。心配性のあなたを魅力的に思っているかもしれません。

このように、心配性というのは決して悪いことではありません。病気として治療した方がよいほどの「心配症」でなければ、自分の長所になっている部分にも目を向けてください。

3.「心配症」かどうかをチェック

①苦痛と生活への支障が大きいかどうか?
②行動面に大きな影響があるかどうか?
③精神症状や身体症状が目立つかどうか?
をチェックしていきましょう。

それでは、病気として治療した方がよい「心配症」かどうかをチェックしていきましょう。その見分けるポイントとしては、3つあげられます。

  • 本人が苦しみ悩んでいたり、生活に影響があるのか
  • 行動面に大きな影響があるか
  • 精神症状や身体症状が目立つか

①本人が苦しみ悩んでいたり、生活に影響があるのか

過剰な不安や心配によって、本人が「何とかしたい」と思うほどに苦しんでいる時は病気と考えたほうがよいです。本人が苦しんでいる時は、何らかの生活への支障があることがほとんどです。例えば、より緊急なことがあった時に、今やっていることを後回しできなくなってしまったりします。

②行動面に大きな影響があるか

本人は大きな問題を感じていなかったとしても、周りから見ると行動面に大きな影響があると感じられることがあります。

  • 不安なことに対して、著しく避けてしまう
  • 不安なことに対する、準備に著しく時間と労力をかけてしまう
  • 心配のために、行動と意思決定が著しく遅れてしまう
  • 心配のために、周りの人に安心を繰り返し求める

このような場合も、本人に自覚がなくても病気として治療をした方がよい「心配症」になります。

③精神症状や身体症状が目立つか

普通の心配性では、身体症状を伴うことが少ないです。それに対して全般性不安障害の診断基準では、以下の6つの症状のうち3つ以上が認められることとなっています。

  • 落ちつきのなさ・緊張感・過敏
  • 集中困難
  • 易刺激性
  • 睡眠障害
  • 筋肉の緊張
  • 易疲労感

このように病的な心配性では、何らかの症状が認められることが多いのです。

これら3つのポイントから、あなたの「心配性」が「心配症」の可能性があるかをチェックしてみてください。

4.心理検査から「心配症」をチェック

慢性的な不安や心配を特徴とする全般性不安障害のも、それを評価するための心理検査が作られています。しかしながら慢性的な症状は特徴が少ないのが難点です。

ここでは、2つの心理検査をご紹介したいと思います。一つ目は、STAIという不安や心配を客観的に数値化する心理検査です。二つ目は、全般性不安障害のスクリーニングとして開発されたGAD-2とGAD-7になります。

4-1.STAI(状態-特性不安検査)

不安へのなりやすさと現在の不安を点数化する心理検査です。

STAIは全般性不安障害に限った検査ではありませんが、不安の程度を評価するのによく使われている心理検査です。

不安は、特性不安状態不安に分けることができます。特性不安とは、もともとの不安へのなりやすさが反映されます。状態不安とは、現在感じている不安の強さが反映されます。

例えば入学試験の合格発表を控えている時に、不安になったり心配するのは当然のことです。不安になりやすい人であっても、温泉でリラックスしているときは不安や心配から解き放たれることもあるでしょう。特性不安と状態不安に分けて評価していくのです。

それぞれ20項目の合計40項目に対して、4段階で自分にあてはまる状態を選んでいきます。全部で80点満点で評価し、男性と女性では評価基準が多少異なります。

4-2.GAD-2・GAD-7

全般性不安障害のスクリーニング検査になります。

GAD2・GAD-7(Generalized Anxiety Disorder questionnaire2・7)は、全般性不安障害のスクリーニング検査として作られたものです。

GAD-7は、質問項目は7つあります。0~3の4段階で点数をつけて、27点満点のうち8点以上(文献によって7~10点)であれば全般性不安障害が疑われます。

それにたいしてGAD-2は、GAD-7のはじめの2つの質問のみを取り出したものです。点数のつけ方は同じで、3点以上であれば全般性不安障害が疑われます。

まとめ

もともと心配性の場合は、本人が苦しんでいたり、生活に支障があったり、行動に明らかな影響があれば「心配症」として治療すべきです。もともと心配性ではない方が過剰に心配性になっている場合は、うつ状態であったりする可能性があります。

心配性はマイナス面だけでなく、「心を配れる」ことでのプラスの面もあります。生きていく上でのメリットもあるので、良い部分にも目を向けるようにしましょう。

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カテゴリー:全般性不安障害(不安神経症)  投稿日:2023年12月31日

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