リワークとは?プログラムの種類や場所、メリットとデメリットを解説

リワークとは?

リワークについて、精神科医が詳しく解説していきます。

リワークとは、うつ病を始めとした精神疾患により休職している方に対して行われる、職場復帰を目的としたプログラムです。

具体的なリワークの目的やメリット、デメリットについて解説します。

【目的】職場復帰に向けたリハビリと再発予防

リワークの目的の1つは、職場復帰を目指したリハビリを行うことです。

具体的には、書類作成やPC操作など、実際のオフィスワークを行いながら、仕事の感覚を取り戻していきます。

体力や集中力がどの程度回復しているか確認しながら、可能な作業を行います。

また、復職後の再休職を防ぐことも重要な目的です。

厚生労働省の報告では、うつ病の再発率は60%であり、15年間の追跡調査で再発しなかった人は20%であったとされています。

一旦改善がみられても再発することがとても多く、再発予防が大切なのです。

リワークでは再発予防のために、休職理由を振り返ったり、疾患の心理教育を受けたりすることで、不適応に陥るパターンを見直します。

さらにストレス対処法を習得し、復職後の適応機能を高めるプログラムも提供されています。

【メリット】復職後の環境にスムーズに適応できる

リワークを受けるメリットは、復職後の環境にスムーズに適応し、再発を予防するという点です。

具体的には、次のようなポイントがメリットとして挙げられるでしょう。

  • 生活習慣の改善と基礎体力の回復を行い、復職をスムーズにする
  • ストレス傾向やキャリアに対する価値観など、自己理解が深まる
  • 似た症状や同じ状況の仲間ができる

【デメリット】一定の費用や期間がかかる

一方で、リワークに通う際のデメリットとはどのような点なのでしょうか。

以下のように、費用や期間がかかる点が主なデメリットとして挙げられます。

  • 3~6か月間の実施が標準的なので、比較的長く通う必要がある
  • 医療機関、福祉系施設で行うリワークには一定の費用がかかる
  • 交通費や食費なども自己負担である

リワークで行う具体的なプログラムとは?

リワークプログラムのイメージになります。

  • では、リワークではどのようなプログラムを行い、復職や再発予防に取り組むのでしょうか。

  • リワークで行われているプログラムを4つに分けて解説します。

    リハビリ系プログラム

    復職後の環境にスムーズに適応するために欠かせないのが、仕事に対するリハビリです。

    リハビリ系のプログラムとしては、書類作成やプレゼン、ミーティングなど、実際のオフィスワークを想定した作業を行います。

    心理・キャリア系プログラム

    考え方の修正や対人コミュニケーションスキルの向上によりストレス対処能力を高めることも、再発予防には重要です。

    さらに、「自分が向いている仕事は?」「どのようなキャリアを積みたいか?」キャリアを振り返るキャリアデザインといったプログラムも行われます。

    心理やキャリアに関するプログラムとしては、以下のようなものが主に行われます。

    • 集団認知行動療法:ストレス状況での考え方の癖に気づき、グループで共有する
    • SST:実際の仕事場面を想定し、コミュニケーションのトレーニングを積む
    • キャリアデザイン:働く上での能力や価値観を整理する

    身体系プログラム

    身体に焦点を当てたプログラムも、精神疾患の治療には大切な要素です。

    体調や集中力は業務効率に直結するため、復職可否の判断基準にもなるでしょう。具体的には以下のようなプログラムが挙げられます。

    • 生活リズム表の記録:体調の変化や睡眠リズムを毎日記録する
    • 認知機能トレーニング:ゲームを通して復職必要な集中力や判断力を回復させる
    • 運動レクリエーション:グループ単位でゲームやスポーツを行う
  • リワークを受けられる4つの場所

    リワークが受けられる場所をご紹介します。

    リワークはどこで受けられるのでしょうか。リワークを受けられる4つの主な場所について解説します。

    医療機関

    代表的なリワーク機関としては、精神科や心療内科の診療も行っている医療機関です。

    休職の原因である精神疾患の治療と再休職の予防を目標にして、病状の回復と安定的な就労を目指します。

    健康保険の範囲内で実施されるため、利用料金は保険適応となり、原則3割負担です。

    自立支援医療制度を利用すると自己負担が1割まで軽減でき、リワークを受けられる方は自立支援の対象となることがほとんどです。

    制度を上手く活用すると費用を抑えやすいでしょう。

    地域障害者職業センター

    各都道府県に設置されている障害者職業センターでは、「職リハリワーク」と呼ばれる無料のプログラムを受けられます(公務員は除く)。

    雇用主と主治医を含めた面談で調整したのち、上限3か月までのプログラムを受講できます。

    復職後の職場適応や雇用主への支援を主な目的としており、職場への働きかけを行える点が職リハリワークの特徴です。

    就労移行支援事業所

    就労移行支援事業所とは、就労を希望する障害を持つ方に対して、就職や就労の継続を支援するサービスを行う機関を指します。

    復職だけでなく転職支援も行っているため、元の職場への復帰にこだわらず、キャリアプランを考えていくことが可能です。

    料金は福祉サービスの枠組みで実施されるため、原則1割負担での利用ができます。

    前年度の収入によっては利用料金が発生する可能性があるので、注意しましょう。

    企業内リワーク

    企業内リワークとは、企業が独自に社内で実施しているプログラムです。

    復職可能と主治医が判断した場合でも、企業で用意したリワークプログラムを行っていく場合があります。

    企業内リワークは、リハビリという側面だけでなく、復職後の安定した就労が可能かどうかの判断を行うためにも実施されます。

    あくまで休職中という扱いで、リワークに関係する費用は企業負担となります。

    社内外でのリワークプログラムを用意されているのは一部の大企業で、ほとんどの場合は通勤訓練や慣らし出勤など、実際の職場の業務を通したリハビリになります。

    スムーズな復職と再発予防にはリワークが効果的

    本記事では、リワークの概要やプログラム内容、受けられる場所について解説しました。

    うつ病を始めとした精神疾患は再発しやすいことが特徴です。

    休養だけではなく、リワークプログラムを通してストレス対処方法や考え方を見直し、再発予防を意識することが重要でしょう。

    カテゴリー:こころみ医学|2023年1月5日