【精神科の女性医師へ】開業はできるの?精神科女医のキャリアパスと年収について
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「精神科はワークライフバランスがとりやすい」
ライフステージで働き方を調整しやすい精神科は、女医さんにとっては非常に向いている診療科目かと思います。
実際に精神科医を選ばれる女医さんはとても増えていて、当院でも女医さんに大活躍いただいています。
私たちのクリニックでは、医師だけでなくスタッフにとっても、「女性が働きやすい職場」を実現していくことに力を入れています。
こちらのコラムでは、当院の女医さんから伺ったお話とクリニック経営者としての視点を踏まえながら、精神科女医さんのキャリアパスと年収について、お伝えしていきます。
すでにキャリアを重ねられた精神科女医さんには釈迦に説法かと思いますが、ここでは若手の女医さんをイメージして、すすめさせていただきます。
ワークライフバランスは人それぞれ
クリニックの外来では、ダブルワークで仕事と育児に追われている女性患者さんの相談などもありますが、お話を伺っていてその大変さは心から共感します。
当院で勤務されている女医さんも、家庭との両立を必死に頑張られています。
男女平等が叫ばれる世の中ですが、そうはいっても性差による役割分担の意識は根強く、女性は家事や育児のウエイトが高くなりがちです。
パートナーとの関係性も家庭によっても様々かと思いますが、そのなかでも医師としての仕事をできる限り頑張りたいと考えている女医さんは多いように感じています。
だからこそ女医さんほど、家庭とのバランスを考えながらキャリアパスを考えていくことが重要です。
資格はとるべきか
こちらは精神科女医さんに限った話ではないですが、まずは精神科医としての資格をどこまで取得すべきか、精神科医としてのキャリアパスとして最も重要です。
- 精神保健指定医:診療報酬に影響あるため年収にも影響→取得すべき
- 精神科専門医:現時点では大きな影響ない→できれば取得した方がよい
精神保健指定医
従来から精神科では、「精神保健指定医」の資格が重視されてきていて、病院での業務の幅はもちろんですが、クリニックの診療報酬でも差がついています。
今後、診療報酬に差が広がる可能性もありますので、精神保健指定医は取得すべきです。
精神科専門医
精神科専門医の資格については、昔の医師が取得していないこともあり、大きな診療報酬での差がついていません。
現時点では、「多剤処方ができるかどうか」など、かなり限定したメリット?しかありません。
とはいってもやはり、「専門医≒一人前の医師」というイメージが大きいです。
セルフブランディングが重要な産業医やメディア等で活躍したい場合や、学会活動や講演活動などを行っていきたい場合は取得した方がよいかと思います。
いつかは専門医の有無が診療報酬の違いになるといわれ続けていますが、少なくとも精神科は指定医で十分と考えらてきた過去がありますので、その世代の先生が引退されるまでは影響がないと予想しています。
精神科女医さんの活躍の場
精神科では、一般的な内科などよりも「女医さん希望」というニーズがあります。
こころを扱う診療になりますので、特に女性特有の悩みや共感を求められる場面は少なくありません。
活躍されている精神科女医さんをもとに、特に「女医」という特性の活かし方も意識してご紹介していきます。
精神科医としての活躍の場
大きく活躍の場を上げるとすると、以下のようになるかと思います。
- クリニック外来
- 入院管理
- 訪問診療往診
- 精神科産業医
女医の視点で、それぞれ見ていきたいと思います。
クリニック外来
クリニック受診希望する患者さんのなかに、「女医さん希望」は一定数いらっしゃいます。
勤務医として働く際には大きな年収などの差はありませんが、開業医としては、「女医」であることを武器に、活躍されている先生もいらっしゃいます。
女医さんとしての開業については、後ほど詳しく述べさせていただきます。
入院管理
単科病院や大学病院などでは、入院管理が基本となることが多いかと思いますので、あまり女医さんとしての特性が生きることは少ないかと思います。
ただ病棟管理の場合は、ある程度時間の融通が利くことが多いので、時短勤務などを柔軟に対応してくれるケースもあります。
閉鎖病棟の場合では、隔離拘束の必要性がある不穏患者さんの対応もありますので、スタッフ体制がしっかりしているところでの勤務が望ましいかと思います。
訪問診療往診
訪問診療では、スタッフと一緒に患者さんのご自宅に往診していくことが多いかと思います。
訪問診療では移動時間などを車で過ごすことが多く、車移動に抵抗がなければスタッフともコミュニケーションを取りやすく、楽しく働かれている女医さんも多い印象があります。
常勤になると夜間対応や臨時対応などがありますが、精神科ではそこまで突発対応は少なく、女医さんにとっては働きやすい環境かと思います。
精神科産業医
企業に訪問し、健康・メンタル・過重労働などの面談対応、安全衛生委員会への参画、企業の健康管理体制へのアドバイスなどがあります。
昨今ではメンタル対応に悩むケースが企業でも増えてきており、特に労働問題と絡んで繊細な事案となることも少なくありません。
女性の活躍が社会的に推奨される時勢において、「女医」を希望される企業様も一定数いらっしゃいます。
産業医の世界も競争が激しくなりつつありますが、精神科医であること、そして女医であることを生かして、精神科女性産業医として活躍されている先生もいらっしゃいます。
女医であることでの年収の違い
代表的な働き方をみてきましたが、勤務医として働かれるにあたっては、「女医」ということで年収がアップするケースは、私は見たことがありません。
反対に女性ですと、ご家庭との関係で夜の勤務が難しくなることが多いかと思います。
医療機関の求人などでは、夜までの対応を前提とした給与条件などとなっていることも多く、確認が必要です。
「女医」としての強みが生きてくるのは、ご自身で事業をされるときかと思います。
開業医や産業医、そのほかメディア等で活躍されている先生もいらっしゃいますが、「精神科」×「女医」という価値をつくられています。
企業に対しても患者さんに対しても、こころの切り口で「女性」のニーズは高いです。
「女医」は武器になりますので、セルフブランディングがうまくできれば、仕事の単価が高まっていくと思います。
開業は可能?女医さんのリスク
最近は女性の開業医も増えてきている印象があります。
当法人にも女性医師は複数ご勤務いただいていて、開業された先生もいらっしゃいました。
集患の面では、「女性」としての強みは間違いなく生きます。
しかしながらその一方で、チーム作りに苦労されている先生が少なくありません。
クリニックでは女性が中心となりますので、異性とのチームの方がうまくいきやすいといわれています。
例えば宇宙飛行士のチーム構成をみると、男性が4~5人、女性が1~2人といったようになっていますが、これはチーム作りの研究の中で男女混成チームが最もパフォーマンスがよいからです。
お金の不安関係のことは、医師免許を持っていれば何とかなります。
最大のリスクは、「自分自身のメンタル」です。
開業医のほとんどが人の問題で悩まされ、そしてなかにはメンタルを病んでしまう先生も少なくありません。
現実的な女性開業医の不安
実際に開業相談をいただくと、以下のような不安を抱えている女性医師が多いです。
- 家庭(育児や家事)との両立の不安
- 雇用することの不安
- 身の安全に対する不安
- 借り入れをすることの不安
いろいろとありますが、どうしても女性の方が家庭に時間を割かなければならないことが多く、開業でのストレスは悪循環となってしまうこともあります。
開業医の最大のリスクは、「メンタルダウン」です。
ですから重要なこととしては、以下になります。
- 休みやすい体制の構築
- シンプルな運営体制で人に頼らない
- 初期投資をなるべく抑える
ミニマム開業のすすめ
ですから女性で開業する場合は、なるべく属人的な要素を少なくして、無理のない開業がおすすめです。
私たちは今回、「患者さんが安心できる精神科外来をどうすれば増やせるか」という課題を模索する中で、当法人が協力する形でのミニマム開業支援を行っていくことでの実現を目指すことになりました。
この方法は、女性精神科医に最もメリットがある仕組みになっています。
当法人を活用いただくことで、運営の雑務の心配を減らし、目の前の患者さんを丁寧にみていくことで、開業医として十分なメリットを享受できる仕組みとなっており、もっともコスパに優れます。
私たちとしても、産休明けの優秀な女性スタッフの活躍の場が作れますし、なにより安心して相談できる診療拠点を増やすことができます。
スケールメリットでの関係者全体に恵みがわたることを目指しているため、このスキーム自体は純粋な経費のみで運営していく方針です。
※精神科開業について詳しくは、「コンサルは不要!?精神科・心療内科ミニマム開業のすすめ!」をお読みください。
キャリアプランで悩まれている女性精神科医へ
「精神科医のキャリアプランは精神科医にしかわからない」
これにつきるかと思います。
私たちは事業として医療機関を運営しているからこそ、勤務医や開業医のキャリアプランをイメージすることができます。
とくに開業を考えられている場合は、当法人の考えているスキームを利用いただくことで、個人開業よりもメリットが確実に大きいものとなっています。
こころの医療は、ともすると「受診したクリニックによって患者さんの人生が変わる」こともあるのは、診療していると誰もが感じることかと思います。
「誰もが安心して標準的な精神医療を受けられるようにしないといけない」というテーマは、私自身が勤務医時代から感じていたことでした。
はじめは自身でクリニック運営を拡大していこうと考えましたが、分院展開での限界を感じ、それと同時に、本気で社会貢献として取り組みたいという想いをもつようになりました。
その中で可能性を感じているのが、今回の方法になります。
家庭と仕事の両立ができれば開業したいと考えている先生、お気軽に問い合わせいただければ幸いです。
お問い合わせは、以下の受付フォームより、「開業相談希望」と記載してエントリーをお願いします。
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診察をご希望の方は、受診される前のお願いをお読みください。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(医療経験を問わない総合職)も随時募集しています。
(医)こころみ採用HP取材や記事転載のご依頼は、最下部にあります問い合わせフォームよりお願いします。
執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:こころみ医学 投稿日:2023年2月3日
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